ポアロで会いましょう【安室透】2

デート7 ページ4

車に戻った僕とAさん。

さっきの失恋と決まったわけじゃない、というのが気になる。Aさんの好きな人は誰なんだ…？

「Aさん、これから予定とかありますか？」
『いえ…特には…』
「じゃあ、これから出かけませんか？」

Aさんの顔がパァッと明るくなる。
『いきたいです！』

「新しくできた東都水族館とかどうです？」
『あ…前事故で大変だったところですよね。もうリニューアルオープンされてるんですね！行きましょう！』



こうして、東都水族館に行くことになった。






水族館に着き、チケットを買って入場する。



Aside

カフェでもう終わりかと思ってたからもうめちゃくちゃに嬉しい…。
水族館デートなんて…カップルみたい。

なんてバカなことを考えてると、
「なんでマグロって寝てても泳ぎ続けるんだと思います？」
水槽の前でピタっと止まった安室さん。
思わずぶつかりそうになっちゃった。

『え！？泳ぎながら寝るんですか！？』
「そうなんです。マグロやカツオはエラ呼吸ができないんですよ。泳ぎながら口から水と酸素をエラへ送り込む「ラムジュート換水法」で呼吸します。もし泳ぐことを止めてしまうと、呼吸ができなくなるため死んでしまうんですよ。」

『えぇ〜！？そうなんですか！安室さん…物知り』


「じゃあ…」
と言ってまた水槽の前で止まる。
「うなぎってなんで刺身では食べないかわかりますか？」

『うーん…毒、とか？』
「正解。ウナギの血液には毒が含まれてるんです。加熱処理をしない限り完全に取り除くことが困難だからだそうですよ」

『ええ〜！安室さん、さかなクンみたい』
「さ、さかなクン…ぶっははは！初めて言われましたよ、ふふふ」
『そ、そんな笑わなくても！』

「ははは、すみません、じゃ次いきましょうか」
『はい』
「ふふ」
『笑いすぎです』

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