ポアロで会いましょう【安室透】2

さようなら3 ページ23

あれから1週間が経った。
私はポアロに行ってない。

蘭ちゃんや園子ちゃんからメールが来てる。

"どうしたの？"
"体調でも悪い？"

返信すらできないでいた。



起きて、仕事へ行って、帰って寝る
それだけ。

今までどれほど自分の中で安室さんの存在が大きかったのかわかる。
付き合ってまだ2週間経つか経たないかだよ？…そんな短い期間だったのに、私の中は安室さんでいっぱいだった。
何も気力が湧かない。
この1週間で体重はどのくらい落ちたかな。



はぁ…

大きなため息をついた。


今日も仕事を終え、歩きながら安室さんとのメールを見返す。

私は信号が赤になったのを確認せずに道路に踏み込んでいた。
勢い良く来るトラックに、気がつかなかった。



気づいた時にはもう遅くて。
…もう、だめ。死んじゃう。

そう思った。





「…っ」

勢い良く誰かに引っ張られた気がした。




恐る恐る目を開けると、歩道に引っ張ってくれたみたいで…。目の前には昴さんがいた。






「す、ばるさん…」

「何してるんですか！？もうすぐで死ぬところでしたよ！！！」

…いっそのこと死んでもよかったかもしれない。



「…う、っく、…うぅ…、」

声を押し殺して泣く私に昴さんは自分の上着をかけてくれて、「行きましょう」と昴さんの住む工藤邸に連れて行ってくれた。

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