ポアロで会いましょう【安室透】2

デート6 ページ3

2人でケーキを食べ終わり、ゆっくりコーヒーを飲む。
土曜日なのもあり、店はガヤガヤ人の声が行き交う。

『安室さん、今日はこんな素敵なカフェに連れてきてくださってありがとうございます』
そう言ってコーヒーを飲むAさん。

「こちらこそ。来てもらえると思ってなかったから、嬉しいですよ」
『そんな、行くに決まってるじゃないですか！』

少しムキになって言うAさん。

「さっき言ってた好きな人って…もしかして、前ポアロで話してた沖矢昴…ですか？」
コーヒーを一口飲みながら聞いた。


するとAさんは目を丸くする。
『…なんで沖矢さんなんです？』

言いづらい、抱き合ってるところを見たなんて。
『…言ってください。安室さん、何か隠してます？』

僕をじっと見つめて言うAさん。
ふぅ、とため息をひとつついてから言った。
「この前、交差点で沖矢昴と抱き合ってるところを…みまして。」

また目を丸くするAさん。
『あ、あの…あれは…その…』


ほら。やっぱり言えないんだな。
「だから好きな人は沖矢昴かなと思ったんです」

『違います！！』
少し大きめな声。
自分の声に、すみません…なんて周りをみて言うAさん。

『あれは…私が失恋して…。沖矢さんとたまたま出会った時に、泣いてしまって。私の涙を隠してくれたんです』

…そうだったのか。
『でも、今は失恋ってまだ決まったわけじゃなさそうなので』

「そう…ですか」

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