ポアロで会いましょう【安室透】2

"バーボン"3 ページ18

お客様がだいぶ引き、梓さんが出前に出た頃。


「安室さん、きて」
「…？」

Aに手招きされる。

「やっぱり肩、痛いんでしょ？」
「いやいや、痛くないって」
「見せて？」
「痛くないから。」
「見せてって…あっ」

Aの手が当たり、カップが床に落ちかける。
すかさずキャッチするも、痛みが走る。
「ご、ごめ…」
「…っ」
「…！やっぱり。」


その時、梓さんが帰ってきた。


私は帰ってきた梓さんに勝手に「安室さん、体調悪そうだから連れて帰っていい？」と言うと大丈夫ですか！？もちろんですと言って強制的に帰ることになってしまった。




Aは私が運転してあげるから！！と言ったけどするから大丈夫、と言って僕が運転した。

「ねえ、私の家に送ってくれたらさ、ちょっと上がって？」
「…いや、そのまま帰るよ」
「だって…めちゃくちゃ痛そうにしてるんだもん、肩…気になるじゃん…私にできることがあればするよ？
「大丈夫。」
「大丈夫じゃないって…
「大丈夫って言ってるだろ


…ハッ


「ご…ごめんなさい」
「いや僕のほうこそ…」
「ちょっと自分勝手…すぎたね」

そのまま車内は静かなまま、Aを自宅まで送り届けた。



「…じゃあな」
「うん…、また…って、！？ねぇ安室さん」
「…ん？」

「肩、血出てるよ」

しまった…、巻きが甘かったか…もしくはさっきの拍子に…





Aside

じわっ…とシャツに滲む血。

私は安室さんの手を引いて、自宅に入った。

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