心を逮捕されました。2【降谷零】 (ページ3)

今日:28 hit、昨日:31 hit、合計:29,613 hit

51. ページ3

Aさんは、白くて細い腕をゆっくり僕の背中に回した。

「降谷さん…、私
「Aさん」

言葉を遮るように話を続ける。

「僕は、貴女に惚れてしまったようです」

「…へ？」

拍子抜けするAさんの声。

「いつかは元の世界に帰らないといけないのに、毎日こうやって過ごしているうちに…、強くて可愛い貴女のことを好きになりました」

「…っ」

「好きになっても辛いだけ、と自分で気持ちを抑えていました。」

「降谷さん…私、」

背中に回った手が、僕の服をぎゅっと掴む。

「降谷さんが居ないと、もうだめです」

そうやって僕にしがみつくAさんが、
愛しくて、小さくてすぐ壊れてしまいそうで。
さっきより強く抱き締めた。

「僕もですよ。Aさんが居てくれたから今の僕があるんです。」

そういうと、僕を見上げてへへ、と笑うAさん。

「大好きです、降谷さん」

「僕も、そんなAさんのことが大好きです」

「降谷さん…」ぐうぅぅ〜

突然響く大きなお腹の音。

「…ふふ、カレー、食べましょか。」

「わ、笑わないでください…っ」

「本当に可愛い人だ。」

「からかわないでください！」