心を逮捕されました。2【降谷零】 (ページ14)

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降谷side

足は痛そうに庇って歩いてるくせに、自分で全部しようとする。僕はそんな頼りないのか？

そう思って、勝手にキッチンに立つAさんを少しキツく叱った。

するとしょんぼりしてしぶしぶソファに座るAさん。

「ご飯できたから食べましょう」
と言っても目線は下のままで。

「ごめんなさい、こんなんで…」
今にも泣きそうに話す

ずっと1人で生きてきたからか、自分以外に甘えたことがないのか、甘え方を知らないのか…。

「Aさんのことが嫌で怒ってるんじゃないです。心配で怒ってるんです。僕はそんな頼りないですか？」

ソファに座ったまま俯くAさんの顔を両手で包み、わしっと持ち上げ上を向かせた。

そこには目に涙を溜めて、泣かないように必死のAさん。

「降谷さん…」

下を向こうとするAさんの顎を優しく持ち上げた。

ぽろ、と頬を伝う涙。

「降谷さんのいじわる…」

真っ赤な顔して、涙目で斜め上の僕の顔をじっと見るAさん

おまけに、いじわるときたか。

ふ、と笑って「そうかもしれないですね。」
と言ってそっと口付けた。

Aside

そのまま私の頭をわしゃわしゃ、として
「さ、ご飯食べましょ」って降谷さん。

…ずるい。

私も涙をそっと拭って立ち上がった。