心を逮捕されました。2【降谷零】 (ページ11)

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60. ページ11

薄ら目を開けて、周りを見渡す

「降谷…さん…」

どのくらい眠ってたんだろう。

心配そうに私を見る降谷さんが居た。

「Aさん…、よかった…」

そう言ってベッドの横の椅子に座り、
両膝に肘をつき、俯いて安堵のため息をついた。

ナースコールを呼んで私の意識が戻ったことを知らせ、白衣を着た医者が説明に入る。

どうやら左足首を骨折したらしい。頭も強くぶつけたけど命に別状はない、って…
退院も3〜4日ほどでできるみたい。足の方はまだまだ治らないけど

よかった…

「これから…1人で突っ走らないでください。僕が行きますから」
俯いたまま降谷さんは震えた声で言った。

「はは、大丈夫。そんなやわじゃないですよ」

「もう大切な人を失いたくないんです…」

そう言った降谷さんはずっと不安そうで…。
過去に何があったかはわからない。でも、私は降谷さんのために何が何でも生きようと思った。