心を逮捕されました。【降谷零】 (ページ46)

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「今日は少し遠くまでいきますか？」

「せっかくですし、良いですね」

天気はドライブ日和。

青い空に白い雲。快晴だ。

30分くらい車を走らせた。

「ここはこの辺で一番大きなデパートです。

で、その向かいにあるのは私がいつもいく美容院…なんてどうでもいいですよね」

ははは〜と笑いながらハンドルをきるAさん。

いいな、平和だ。

と思っていた矢先＿＿＿＿

Aさんに着信。
スマホに表示されていた名前は
「中村…」

「出ましょうか？」

「じゃ、スピーカーにお願いします」

降谷さんにスピーカーにしてもらい電話に出る。

「もしもし、どうしたの？」

"Aさん、お休みのところ申し訳ありません。"

「いいよ、何？」

"実は…先程渋谷区の銀行で強盗が入り、現在犯人は逃走中。
車はレンタカーのようで、車種はヴェルファイア、色は黒、ナンバーは5563です。現在犯人は3人で逃走を図っており、追跡していましたが練馬区で見失ってしまいました…"

「ちょうど私たちがいる所じゃない」
と言って頭をわしゃわしゃ掻き上げる。

「Aさん、そうと決まれば…」

「…降谷さん、ごめんなさい。また今度ゆっくりドライブしましょう。

中村、私たちも追跡する。見つけ次第すぐ連絡するわ」

"わかりました"

Aさんはハンドルを大きくきり、車をUターンさせた。

「あぁもうっ！」
肩に力を入れて声を上げるAさん。
「ははは、仕方ないですね」