心を逮捕されました。【降谷零】 (ページ41)

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降谷side

Aさんの名前を使って、近くの警察官に工藤刑事の指示でというと覆面用のパトカーを貸してくれた。

急いで向かうと目を疑った。
…ニュースと違うじゃないか。
なぜAさんが人質に取られているんだ？

急いで降りると、Aさんの部下が居たので状況を聞くことにした。

僕を見るなり、"スピーカー探偵だ！"と言ってる。
あんな11年前の未解決事件をスピーカーで署に流せば仕方ないだろう。

7人の人質を解放する代わりに私が人質になる、と言ったらしい。
なんて無茶をするんだ…
犯人は金目当てなようだ。ここまで包囲されているならもう諦めたら良いものを。

ふとAさんの方を見ると、犯人に常にこめかみに銃を突きつけられていて手は後ろに縛り付けられている様子。

ニュースで見た、"警察官1名危篤"が頭をよぎる。

どうにかして犯人がAさんから離れた隙を使って助け出したい…。どうする…。

「中村さん、でしたか」

ふと部下の方に話しかける。

「は、はい！」

「このコンビニは見たところ裏口がなく、この大きなガラス張りの入り口しかありません。Aさんを助け出すにはここから入るしかないのですが…」

「そうですね…」

「僕がうまく犯人の気を引き付けるので、その隙に中村さんはAさんを助けてくだい。」

「ひ、引き付けるって…スピーカー探偵、それはいくらなんでも…」

「大丈夫です。ですが丸腰で挑むには少し無理があるので、バリスティック・シールド(防弾盾)だけ借りても構いませんか？」

「それは全然構いませんが…危険です。」

中村さんは僕を止めたが、近くに居た人にバリスティック・シールド(防弾盾)を借り、僕は入り口付近に近づいた。