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「ほう。誰だろうな、僕は半ズボンなんて夏にしか履かないのに」
…これは…、カマかけてみるか。
「ほぉー、あの夫婦が殺されたのも確か…」
横目で返事を待つ
「ああ、夏…だったかな。」
ペタ、ペタ、とサンダルの音がこちらに近づいてくる。
「あの時の夫婦の子供はどうしてるんでしょうね。一度に殺されて、可哀想に」
「さぁな、ところで君、僕の財布を触ったかい?」
「財布?何のことでしょう?」
「いや、知らないならいいんだ」
そこでサンダルの音がピタリと止まった。
「…あぁ、あの夫婦が経営してた頃の横領の被害届、だったかな
しかし11年も前ですからボロボロで被害届としかわかりませんでしたが…
貴方…、あの夫婦と一緒に働いていた頃横領をし、当時店長だった主人に被害届を出して自首しろと促された。
でも自首することが怖くなった貴方は被害届を出さなかった。
しかしそれが貴方の奥さんが働いている学校に噂が回り、奥さんは解雇され離婚した…
その腹いせに2人を殺めた、というところですか?
てっきり貴方が元教師かと思いましたよ。苗字しか聞かなかったものですから、まさか奥さんだとは思いませんでした」
「…っ、何なんだお前は!」
ゆっくり振り向く。
「安室透ですよ。店長」
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作者名:つくね | 作成日時:2023年6月18日 6時