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「探偵…」
店長が目を丸くした。
と、同時に救急車とパトカーのサイレンが聞こえてきた。
「警視庁捜査一課強行犯三係の工藤Aです。応急処置はしましたので、あとはよろしくお願い致します。」
毒をもられた男性は救急車で運ばれて行った。
「Aさん!」
「中村…」
部下の中村も到着したので状況を説明した。
「で、でもなんで血を吐いたのを見ただけで苛性ソーダとわかったんです?」
メモを取り出しながら言う中村。
「テーブルを見て。」
「えーっと…」
被害者のテーブルには全て食べてしまったラーメンと、その横にステンレスのコップにストロー。
「ステンレスが錆びてるでしょ。ストローは何ともないのに」
「っ!?あ、ほ、本当ですね!それほど濃度が高かったんですね…」
「そして倒れてからの即効性…というところでしょう」
降谷さんも説明する。
「…あ、あなたは?」
「探偵の安室透です。
…で。犯人は被害者から私たちを挟んで座っていた、貴方ですね」
言い当てられた犯人の男はそ、そんなわけないだろ!と笑っている。
「第一こんなやつ知らない!」
と言う犯人。
「へぇ。あなた、被害者と同じ職場ではなかったですか?」
私が指摘すると焦り始める犯人。
「な、なんでそんなんわかんだよ。証拠がねーだろ!」
「証拠ならありますよ。ここに」
そう言って降谷さんは犯人の左手を取った。
「!?」
「あなた、畳屋でしょう。人差し指と中指の間、そして親指と小指の手首の中間にタコがありますね。これは畳針の縫いダコです。被害者にもこのタコはありましたから」
「それに。本当のこと当てられて、図星であれば人間は心理的に咄嗟に笑うんですよ」
「っ…あいつは、俺の女房に手出したんだよ…許せなかった…。女房が病気で死んでからすぐに他の女に手出したんだよ!!許せなかったんだ」
犯人は泣き崩れた。
「署まで同行を願います」
中村が手錠をかけ、パトカーに乗せて犯人を連れて行った。
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作者名:つくね | 作成日時:2023年6月18日 6時