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16. ページ17

「探偵…」
店長が目を丸くした。

と、同時に救急車とパトカーのサイレンが聞こえてきた。




「警視庁捜査一課強行犯三係の工藤Aです。応急処置はしましたので、あとはよろしくお願い致します。」


毒をもられた男性は救急車で運ばれて行った。





「Aさん!」
「中村…」
部下の中村も到着したので状況を説明した。

「で、でもなんで血を吐いたのを見ただけで苛性ソーダとわかったんです?」
メモを取り出しながら言う中村。

「テーブルを見て。」



「えーっと…」

被害者のテーブルには全て食べてしまったラーメンと、その横にステンレスのコップにストロー。


「ステンレスが錆びてるでしょ。ストローは何ともないのに」

「っ!?あ、ほ、本当ですね!それほど濃度が高かったんですね…」

「そして倒れてからの即効性…というところでしょう」
降谷さんも説明する。


「…あ、あなたは?」

「探偵の安室透です。


…で。犯人は被害者から私たちを挟んで座っていた、貴方ですね」


言い当てられた犯人の男はそ、そんなわけないだろ!と笑っている。
「第一こんなやつ知らない!」
と言う犯人。



「へぇ。あなた、被害者と同じ職場ではなかったですか?」
私が指摘すると焦り始める犯人。

「な、なんでそんなんわかんだよ。証拠がねーだろ!」



「証拠ならありますよ。ここに」
そう言って降谷さんは犯人の左手を取った。

「!?」


「あなた、畳屋でしょう。人差し指と中指の間、そして親指と小指の手首の中間にタコがありますね。これは畳針の縫いダコです。被害者にもこのタコはありましたから」


「それに。本当のこと当てられて、図星であれば人間は心理的に咄嗟に笑うんですよ」

「っ…あいつは、俺の女房に手出したんだよ…許せなかった…。女房が病気で死んでからすぐに他の女に手出したんだよ!!許せなかったんだ」

犯人は泣き崩れた。

「署まで同行を願います」
中村が手錠をかけ、パトカーに乗せて犯人を連れて行った。

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作者名:つくね | 作成日時:2023年6月18日 6時

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