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行く宛なんて全く検討もつかない。
時刻はもう21時。
辺りは暗くなっていて街灯がなければ顔の判別はつきにくい。
信号を渡り、ショッピングモールの中を駆け抜け、駅の方へ行ってみたり路地裏を行ったりしたけどどこにもいなかった。
諦めて、帰ろうと大きな橋を渡ろうとした時、グレーのスーツを着た長身の男性が橋の真ん中で欄干に寄りかかり、片手で頬杖をついているのが見えた。
私の足音に気づきこちらを見る男性。
「…やっと見つけた」
降谷さんだった。
私に気づいた降谷さんはこちらを振り向いた。
「Aさん…どうやらここは、僕の住んでた所とは違うようです」
「…え？」
「どこも、景色がおかしいんです。」
「おかしい…？」
「はい。見てください」
そう言って降谷さんは私に自分の携帯のマップを見せた。
「何…ですか、これ」
"error"と書かれている。
「それに…」
と一度自分の方へスマホを向けて操作し、もう一度私に見せた。
風見午後15時、米花デパートにて対象発見しました。急行願います。
これを見たはずだった。
のに、
鬚ｨ隕蜊亥ｾ?5譎ゅ?∫ｱｳ闃ｱ繝?ヱ繝ｼ繝医↓縺ｦ蟇ｾ雎｡逋ｺ隕九@縺ｾ縺励◆縲よ?･陦碁｡倥>縺ｾ縺吶?
「…メールを開くと徐々に文字化けして見れなくなるんです。おかしいと思いませんか？」
「…は、はい…こんなのは初めてで…」
「僕は、どこか遠くから来たのかもしれませんね」
再び欄干に寄りかかり、遠くを寂しそうに見つめる降谷さん。
「…そんなことって…。」
降谷さんは私をみて、
ふっ、と笑って私の毛先を少し触った。
「どうして貴女が泣くんですか？」
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作者名：つくね | 作成日時：2023年6月18日 6時
