ツンデレな彼は歌の王子様【大森元貴】

店員さん１ ページ2

それは今から5年前のこと。





『いらっしゃいませー』


いつものように朝から出勤をして接客し、品出しをする変わらぬ日常。



客「32番を2つ」
『かしこまりました。お箸はお付けいたしますか？』

お弁当をレジに持って来てタバコの番号を無愛想に言う50代の男性客。


客「いや、いらん」
『少々お待ちください』


『袋はどうなさいますか？』
その質問に男性客は手でいらないと払うジェスチャーをする。

コンビニで働いてたらお客様はそんな方が多い。
もちろん、良いお客様もたくさんいるんだけど。




商品を渡し、ありがとうございましたー！と大きめな声で見送る。


はぁ、冷たい言い方だなぁ。



昼時も過ぎ、少し落ち着いた頃…
さっきのお客様にモヤ〜っとしていたその時。



？「お願いします」

商品をレジに置き、お願いしますと言った男性。


『いらっしゃいませ。(ﾋﾟｯﾋﾟｯ)……782円になります。袋はどうなさいますか？』

？「いえ、いいです。これでお願いします」
丁寧に千円札を差し出す男性。


『1000円お預かり致しますね』



『218円のお返しになります。ありがとうございました』


？「ありがとうございます」
受け取ったお釣りをそのままレジカウンター横にある募金ボックスに入れて帰って行った。

コーラ2本と、おにぎり2つ買って帰った男性。


なーんか…どこかで見たことあるような。






それがミセスの大森元貴とわかるには時間はかからなかった。

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