僕の恋人は、"芸能界きっての天然美女" 【降谷零】③ (ページ16)

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安室side

警察学校時代に撮った写真をスマホで見せた。

「この人たちは…警察学校時代の？」
「うん、僕の友達さ」
「みんな元気？」

そう聞くと、零くんは視線を下に逸らした。

「…？」
「まず一番左に居るのは諸伏景光。ヒロって呼んでた。僕と同じく公安に配属され、某組織に潜入して正体がバレ、友人と家族を守るため自決した。」

「…っ、そんな…」

「その横、松田陣平。初めは爆発物処理班に配属された。その後警視庁捜査一課強行犯係に配属されて、追っていた連続爆破事件に遭遇したが…大勢の命を救うために爆死したんだ。」

「う、うそ…」
Aは口元を押さえた。

「その横。伊達航。警察学校時代、班長をしていた。松田と同じ強行犯係に配属されたが、去年徹夜の張り込み明けに居眠り運転にはねられて事故死…

その横が僕で、一番右がさっきの萩原な。Aには言っておきたかったんだ。」

「…っ、」
口元を押さえたまま声を押し殺して涙を流すA。僕の友人に対して泣いてくれるなんてやっぱり君は良いやつだ。

「…泣くな」
そう言って親指で涙を拭った。

「ごめん、…こんな大事なこと…っ、言ってくれて」

「Aには伝えておきたかったんだ。僕の大事な友人の話。」

すると、勢いよく立ち上がったA。
思わず目を丸くしてしまった。

「零くん、いこう」
「え、どこに…？」
「あとの3人のお墓！！」

全く、君ってやつは…

「いや、いいよ、丸一日暗い気分で過ごさせたくないし、久々に会ったんだから、これは思い出話ということで」
そう言って立ち上がったAの手首を掴んで少し引いて座らせた。
「…でも」
「今日1日は僕に時間くれるんだろう？」
「うん。そうだよ」

「じゃ、これ飲み終えたら出発だ」
「ど、どこに…？」

「僕の家。来たがってたろ？」
「！？、いいのっ…！？」

「もちろん」