安室さんがトリップしてきました。 (ページ15)

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ハイスペックな彼2 ページ15

すると、「あ、お帰りなさい！」

と安室さん。

『大丈夫でしたか…？』

と聞くと同時になんだか良い匂い。

「すみません、きっと助けてくださった日も日が暮れる頃でしたので、今日もそうかと思い勝手に冷蔵庫からご飯を作らせていただいたんです」

キッチンを見ると、これを男の人が1人で作ったのかというハイスペックな料理達が並んでいる。

『え！？こ、これ安室さん1人で？』

できていたのは、ご飯とお味噌汁とお豆腐の和風サラダやおひたしや白身魚のフライなど。

冷蔵庫の中はそんなになかったはずなのに、食材の使い方も上手。

「はい、お礼も兼ねてと言っちゃなんですが…
『すっごい！！え、よくあの少ない材料でできましたね！？』

言い終わる前に食い気味に褒めてくれるAさん。

「使いかけのものや賞味期限が切れそうなものを選ばせてもらったんです。」

シンクは片付けられ、食器洗いも洗濯も全て畳まれていた。

『な、何から何まで…』

完璧すぎてボケーッと荷物も下ろさず突っ立っていると

「さぁAさん！手を洗ってきてください、食べましょう！」

『は、はい！』

2人は料理を挟んで向かい合って椅子にかけた。

『いただきますっ！』

え！？タルタルソースまで！？…この人何者

私は一口パクっと食べた。
『…！？！うぉいっ…しい！！！！美味しいです！安室さん、向こうの世界で料理人か何かですか！？』

目を輝かせて言うAさん。

「あはは、違いますよ。僕はAさんと同じカフェで働きながら探偵と公安警察をしています。」

トリップならAさんには言っても大丈夫だろう。僕は本当のことを伝えた。

は〜ん、なるほど。
通りで料理ができるわけだ…

ん？

探偵？

警察…？

『ええええええぇ！？』

「そんなびっくりしなくても…」

『し、しますよ…。だって、探偵…？警察…？そしてカフェ？安室さん、何者ですか…？』

「普通の人間です」

とご飯を食べながらにっこり笑う安室さん。

絶対普通じゃない、この人…只者じゃない

凄い人を向かい入れてしまったんだ、私。

これから毎日楽しくなるかもしれない。