宿3 ページ12
そして病院を出て、タクシーに乗り、Aさんの働くカフェに着いた。
『あっ、ここ私の働くカフェなんです。2階が空いてたと思うのでマスターに聞いてみますね!」
「ありがとうございます」
そう言ってAさんはマスターの元へ向かった。
僕はカフェを一望した。
素敵なカフェだ。メニューもほぼポアロと変わらない。
隅々まで掃除が行き届いているし、しっかり加湿器がつけられ心地よい湿度を保っている。
いいなぁ。と思っていたらAさんが顔を青ざめて戻ってきた。
『す、すみません安室さん…』
「?どうしました?」
『実は、2階の空き部屋、マスター私用で使ってて物が溢れてるらしくて使えないって言われてしまって…』
本当にすみませんと何度も頭を下げるAさん。
「そんな、大丈夫ですから。頭を上げてください。自分のことくらい自分でできますよ」
『で、でも…』
「いいんです、本当に困った時は頼りますから」
そう言って荷物を持ってカフェを出ようとする。
するとAさんはひらめいた顔で答えた。
『安室さん!!うち来ませんか?!』
…え?
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作者名:つくね | 作成日時:2023年6月4日 20時