tempo giusto ページ19
受験期のお話
いのひか
(in.side)
「受験票持った？」
「うん」
「筆記用具は？あと単語帳と軽食と…糖分補給にチョコもあった方がいいかも！」
センター試験当日。俺の家までわざわざ迎えに来てくれた光は、親かと思うほど、むしろ俺の親以上に心配そうに持ち物を確認する。
玄関にいたはずなのにものの数秒で家の中まで入りこみ、俺の親からカイロやらマスクを受け取っていた。
「伊野尾ちゃん。風邪ひいちゃうよ。手袋…はさすがにしてるか。でもマスクもして、」
「光」
「ん？なにか忘れもの？」
「……脳みそ持った？」
いつの間にか俺の後ろに立っていた母親に、なに失礼なこと言ってるのと頭を叩かれる。
いてぇ。バカになったらどうするんだ。
「……使い物にならない脳みそなら持ちました……」
ほんの冗談で言ったつもりなのに思いのほか落ち込む光に、ちょっぴり申し訳なさが。
「ごめんって。大丈夫だよ。半分取れればいいんだから」
「9割以上取れる人に言われたくないわ」
音大受験のセンター試験なんてあってないようなもの。
いくら9割取れていたって結局実技の能力が最優先。
俺は確かに、言ってしまえばセンター試験の勉強はほとんどしなかった。代わりに実技のピアノばかり毎日狂ったように練習して。
その反対に光は実技の面ではかなりいい線いくんじゃないかって。センターで無事5割いけば……って高3の夏、光に誘われて一緒に通っていたソルフェの塾の先生がそう話していた。
「大丈夫だよ、光なら」
「なにを根拠に」
「えー……光のつくる曲が好きだから？」
あたたかいよ、光みたいに。
俺はその才能に本当に惚れ込んでいた。
だから絶対大丈夫。
センター試験が終わって、今までで1番できた自信がある！とはしゃぐ光に、今年のセンターは簡単だったことは黙っておこう。
【tempo giusto】正確なテンポで
正確なテンポで、時を刻め。
受験生のみなさま、いよいよセンター試験ですね。
寒さにお気をつけて、いってらっしゃいませ。
応援しています。まよ
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まよ(プロフ) - みるみるみるきーさん» 最初からお付き合い頂きありがとうございます！ちゃんとくっつけられてほっとひと安心です笑暇がなくても腐ったものは生き甲斐なのできっと更新させて頂きます！コメント頂けて嬉しいです(>_<)ありがとうございます！ (2017年3月1日 10時) (
レス) id: cde03f2c07 (このIDを非表示/違反報告)
まよ(プロフ) - ゆうみさん» ありがとうございます！！はい！頑張ります嬉しいです(;_;)！ (2017年3月1日 10時) (レス) id: cde03f2c07 (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - おつかれさまです。２人がちゃんとくっついてよかったです。おや？！イタリアに留学？？素晴らしいですね。沢山いろいろ楽しんでお勉強なさってきてください。帰国された時、お暇が出来ましたらこの作品の続きが描かれること待っています (2017年3月1日 6時) (レス) id: 40e0ecae06 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ - まよさんの作品好きです！これからもまよさんのペースで頑張ってください！！ (2017年2月28日 23時) (レス) id: 21ff791e58 (このIDを非表示/違反報告)
まよ(プロフ) - みるみるみるきーさん» さっそくコメントありがとうございます！有岡さん無邪気に喜んじゃってます←羨ましいですよね！できるものなら誰だってしたいです笑薮さん泣いちゃいますよ〜これは完全に恋愛対象に見られてないっすねw今後ともよろしくお願いしますm(__)m (2017年2月20日 12時) (レス) id: cde03f2c07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まよ
| 作成日時：2017年1月31日 19時
