精神異常者 [第5人格]

ゲーム ページ4

【只今よりゲームを開始します。ハンターはリッパー。サバイバーは、泥棒、弁護士、庭師。そして、今回が初のゲームとなる、”精神異常者”です。まもなくゲームが始まりますので席にお座り下さい。】
慌てふためいているとそんな放送が流れた。
『い、今のは…？』
出来るだけ自分を落ち着かせるようにしながらエマさんに聞いた。
ピ「ま、簡単に言うと今から鬼ごっこが始まるんだ。それもかなりスリルな、な？」
放送が鳴り終わると気が済んだのか、ピアソンさんが自身の座っていた席に戻り、手のひらをヒラヒラとしながら私の問いに答えた。
エ「リッパーさんは優しいからきっと貴方を逃がしてくれると思うの！」
不安そうな顔をしていたのかエマさんが気を遣うように私にそう言ってきた。
フ「そういえば…ご紹介遅れました。弁護士ことフレディ・ライリーです。横の下品な奴がクリーチャー・ピアソンです。」
そこまでフレディさんが言うと「下品は余計だ！」とピアソンさんがまた声を荒らげた。
もしかして仲良しなのかな…？
『私…私は、A・ロビーツです。先程の放送を聞くに多分…私が精神異常者、です。実際そうなのでおかしくなっていたら逃げてください。』
緊張により動きにくい口を動かしながらそう言うとピアソンさんがﾊﾊﾊと豪快に笑った。
ピ「大丈夫だ！いざ危険になったら俺が助けてやるよ！全力でな！」
そう言われて心の何かが埋まったような感覚に囚われた。
過去にこんなことを言ってくれる人がいただろうか。
大抵が腫れ物を扱うようにか、苦虫を潰したような顔して罵倒してきたのに。
そう考えているといつの間にか私の隣にいたエマさんがピアソンさんの横に座っており、「Aも速く座るの！」とこちらに手を振っていた。
急かされているような感じがして私も急いで座った。
私が座ると同時に目の前が突然真っ暗になった。

リッパーside
サバイバーたちの様子がよく見える別の部屋で紅茶を飲みながら鼻歌を歌う人影がひとつ。
人影、というのが正しいのかどうか迷うくらいに歪な形をしたそれは大きな椅子に座ってサバイバーたちの方を眺めていた。
？「ほう、子供ですか…。」
どんな子か楽しみだ、と独り言を言うとｸｸｸ、と笑みを浮かべた。

Aside
ﾋﾟｷﾋﾟｷ…ﾊﾟﾘｨﾝ!
ガラスのようなものが割れる音が耳元で聴こえ、驚いて目を覚ます。
目を覚ますと私は見覚えのない土地の上に立っていた。
『ここは…？』
ｶｧ、とカラスの鳴き声が聞こえた。

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