精神異常者 [第5人格]

空軍さん ページ15

Aside
ウィリアムさんにおんぶされて私はマッチング部屋へと入った。
私をおんぶしているのにウィリアムさんは物凄い速さでこの部屋まで走ってきた。
後ろをチラリと見ると、ナワーブさんがゼーハーと息を漏らしている。
？「ちょっと！遅いじゃない！」
ウィリアムさんは私を床へ下ろしながら席に着いている女の人に怒られていた。
髪の毛をひとつくくりにしていて帽子をかぶっている…かっこいい感じのする女の人。
その人の手元には…拳銃のようなもの。
思わず、『ﾋｯ』と声を出してしまう。
その声に気がついたのか女の人が視点をウィリアムさんから下に向けて、ちょうど私と目が合う。
？「あ、あら…ごめんなさいねお嬢ちゃん。怖がらせちゃった？」
そう言いながら微笑むその人を見て『案外悪い人じゃないのかもしれない。』と思った。
ウ「あー！！！マーサが子供怖がらせたー！！！マーサひどーい！！！」
その女の人…マーサさん？を見てウィリアムさんが私の後ろでマーサさんを指さしながら大きな声で言う。
ナ「ひどーい！！！」
ウィリアムさんの後ろの方でナワーブさんがウィリアムさんと一緒になって彼女をはやしたてる。
私はどうすればいいのか分からずにいるとマーサさんはニッコリと笑いながら机の上にあった拳銃を彼らの方に向ける。
マ「もう一度言ってごらんなさい？」
その状態のままそう彼らに問う彼女の姿はどこか威圧を感じた。
その威圧に負けたのか質問に答えることなく彼らは両手をあげて、黙って降参のポーズを取っていた。

『精神異常者ことAです！よろしくお願いします！』
軽い挨拶を済ませて椅子に座る。
あとの3人は椅子に座っていたのでこれで多分サバイバー側の準備はできた…ってことだと思う。
そんなことをボーッと考えていると目の前が真っ暗になった。

ジョーカーside
部屋越しに”精神異常者”を眺める。
俺は子供は嫌いなんだ。
だから、新しいサバイバーに子供が来たのは俺にとっては好都合だった。
だって、殴れるし。
最初、リッパーが連れてきた時、勢い余って殴りそうになった。
チラリとオフェンスにおんぶされて嬉しそうな表情のそいつを見る。
その楽しそうな表情が過去の俺を嘲笑うあいつらと重なりギリ、と歯を噛み締める。
俺はもう泣きピエロなんかじゃない。
ソイツが席に着くと同時に目の前が真っ暗になる。
さぁ、ピエロのショータイムだ。

Aside
楽しげで、寂しげな音楽が聴こえ、目を覚ます。
『…ここは？』

知らない場所→←再ゲーム

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す