荘園 ページ23
Aside
『…ん、』
いつの間にか閉じていた瞼を開けると、私はどこかの部屋で大きなベッドで寝ていた。
リ「おはよう、お嬢さん？」
横にはリッパーさんが座っており、こちらを見ていた。
ただ、私を追いかけていた時のリッパーさんとは違い、仮面を外していた。
不思議なその顔を見つめる。
リ「あ、あァ…怖がらせちゃったかい？」
リッパーさんはそんな私の様子を見て顔を隠そうとする。
『ううん、怖くないですよ。…なんていうんでしょうか、すごい不謹慎だけど…』
最後に見た最初のお父さんにそっくりで。
なんて言いかけたが、死んだ人で生きた人を見立てるのは良くないと思って途中で『なんでもないです。』と言ってしまった。
リ「…おやおや、本当に不思議な子だ。死体でも見慣れているようだ、なんて…。」
死体を見慣れている。
その文を聞いて肩をビクッと揺らしてしまったが今のは恐らくリッパーさんなりのジョークなのだろう。
深くは考えず、リッパーさんに笑いかけた。
『ところで私はなんでリッパーさんのお部屋に…？』
周りを見渡すとリッパーさんの仮面が壁に掛けてあったり、リッパーさんの帽子が置いてあったりしたため、そこがリッパーさんの部屋だということは必然的に分かった。
リ「理由は後ろを見ると分かると思うよ。」
そう言われてベッドから後ろをくるりと向くと見覚えのある椅子が窓ガラスを損傷させながら突き刺さっていた。
あの椅子…確かジョーカーさんに座らされた時の椅子…。
不思議なことに椅子に座らされたあとの記憶が全くない。
が、窓の景色を見るにここは恐らく上階。
そしてこの部屋に少しだけ香る火薬の匂い。
つまり………。
『勝手に入室してしまった挙句、窓ガラスを壊してしまい申し訳ございません！！！！！！』
ベッドから降りて即刻土下座する。
うわわ、どうしよう、ものをまた壊してしまった…。
怒られる…殴られる…嫌われる…！！！
目を固くつぶり、土下座したままカタカタと肩を震わす。
リ「別に怒ってないからいいよ、それに恐らく僕の部屋に君が突っ込んできたのは君の部屋がまだできていないことが原因だろうし。」
だから、顔をあげて。
優しい声でそんなことを言われてその場で土下座をやめ、座り込んでいるような体勢になる。リッパーさんは私の頭に優しく、大きな右手で撫でてくれた。
撫でられるのは最初のママ以来だった。
なんとなくお母さんを思い出し、私はぽろぽろと涙をこぼしてしまった。
あぁ、情けないなぁ。
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M(プロフ) - ぐうたら猫さん» 報告ありがとうございます！最近更新してないのに読書して下さりありがとうございます！！！修正しておきますね (2019年7月6日 0時) (
レス) id: 07364ca25c (このIDを非表示/違反報告)
ぐうたら猫(プロフ) - ニャッスニャッス！誤字があったのでご報告に来ました。 祭司と占い師の中間、ハスターsideの台詞で信仰が進行になってました！ (2019年6月14日 1時) (携帯から) (レス) id: e6816c78e0 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - コメント再度ありがとうございます！！！こちらこそ美味しいネタ提供ありがとうございました！！！！！ごちそうさまです！！！！！ (2018年12月25日 20時) (レス) id: 5e16966fb2 (このIDを非表示/違反報告)
ぐうたら猫(プロフ) - 美智子姐さんとヴィオレッタ嬢との絡み、めっさ可愛いです♪ バル爺ちゃんとの関係最高っした！ (2018年12月22日 10時) (携帯から) (レス) id: e6816c78e0 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - ぐうたら猫さん» コメントありがとうございます！！！！じぃじと孫娘！？………良い関係だ……………。そのように書かせて頂きますね！ (2018年12月2日 16時) (レス) id: 5e16966fb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：M | 作成日時：2018年10月13日 1時
