光る、笑顔 (ページ22)

今日:2 hit、昨日:19 hit、合計:8,771 hit

#21 ページ22

その後は"頑張って下さい"の意味を考えながら、どうやって帰ったか分からない。

でも、ひとつ分かったことが……

少しあべちゃんとの食事を意識している、自分がいること。

仕事が終わり、
あべちゃんからのメールでは前来た海鮮料理店で待ち合わせになっている。でもあべちゃんはまだ来ていない。

前来た時は春だったが、今は初夏。

あんな料理があればいいなとかまたこれ食べたいなんてことを頭で考えながらあべちゃんを待つ。

阿｢ごめんっ、遅れた！｣

気持ちいい風がふわっと吹いた頃、あべちゃんは肩で息をしながら走ってきた。

阿｢待たせてごめんね、？｣

和｢いえ、大丈夫です！それより楽しみの方が勝ちましたから！｣

遅れた事より勝った方が大きかったのは事実。

そして、私の心音はなぜこんなに乱れているのだろう…この後の事を想像して勝手に感情を変えていては、あべちゃんに失礼だ。

今は目の前の、煌びやかな笑顔のあべちゃんと向き合わないと。

阿｢双葉は何頼む？｣

和｢決まってます、…と…と…です！｣

阿｢結構頼むんだね笑じゃあ、俺は…と…にしようかな！｣

こんなにも笑顔の人がこの後何かあるかもしれないなんて微塵も思わない。
その事が気になるがあべちゃんと他愛のない会話をしていると美味しい匂いと共に店員さんも来た。

阿｢じゃあ、食べよっか！｣

和｢はい！堪能しましょう！｣

あまり考え込んだ事は頭から出して目の前にあるキラキラと輝く物に夢中になった。

あべちゃんは食べ終わってから、私の事を幸せそうな顔で見ていた。