【A3!】酸化した舞台から飛び降りますっ！2 (ページ7)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:185,576 hit

配慮【瑠璃川幸】ページ7

幸｢A、終わった？｣

『……終わった』

幸｢部屋から出て来て｣

幸がそう言い、ガチャリとドアが開く。

三角｢A、かわい～っ！｣

Aの姿を見て、第一声をあげたのは三角だった。

『ありがと。それよりなんでみんながここにいるの』

幸｢Aの可愛くなった姿はみんなに見てもらった方がいいじゃん｣

悪びれもなく言う幸。Aは軽いため息をついた。

咲也｢すっごく似合ってますよ！！｣

真澄｢……いいんじゃない｣

綴｢白い服も似合うな～｣

至｢A、こっちに目線ちょうだい｣

シトロン｢イタル、その写真をワタシにも送ってネ｣

天馬｢か、か……かわ、いいんじゃないか…？｣

幸｢素直になりなよ、ポンコツ役者｣

椋｢わぁ！お姫様みたいです！すっごく似合ってますよっ！｣

一成｢インステにあげていいっ！？！｣

いづみ｢かわいいよ、Aっ！｣

『っ～～～！』

みんなの褒めの嵐に耐えられなくなったのか、赤い顔を俯かせるA。

幸｢うん、似合ってるじゃん｣

幸｢やっぱり、可愛い服を作りたい……｣

呟き気味に言った幸の言葉をAは聞いていた。

『(幸、やっぱり女の子の服を作りたいんだ…この夏組の公演に何か生かせるかもしれない)』

『……幸』

幸｢なに？｣

『せめて一言だけでも前もって言ってくれたら多分着る、から』

幸｢…！！｣

幸｢……それじゃあ、これからもよろしく｣

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

そして、脚本決め。

綴｢姫役のある千夜一夜物語か………｣

『うん、どうかな？』

綴｢その場合の配役は幸になるな｣

『うん』

『(もちろん計算通りだよ。幸には衣装作りでお世話になってるし、少しだけでも自分の要望が入る衣装を作って欲しいし…)』

綴｢A、もしかして幸の配慮もしてました？｣

『なんのことかな？』

『(バレちゃったかな…？まぁ、いいか)』

綴｢……って言うことがあったんだよ｣

幸｢やっぱりAが、考えてくれたんだ｣

綴｢お礼、言いに行っとけよ？｣

幸｢……分かってる｣

綴からの話を聞いて、すぐさまAの元に行く幸。

幸｢A！｣

『幸？どうしたの？』

幸｢衣装のこと、村人Cから聞いた！｣

『え、衣装のこと？』

幸｢とぼけても無駄だから。｣

『とぼけたつもりはないけどね』

幸｢っ……ありがと｣