天変地異の前触れ ページ50
天馬「オレは絶対、お前らと舞台に立つ。待ってろ」
椋「天馬くん…」
一成「テンテン…!」
三角「てんま、がんばれ〜!」
天馬「井川、行くぞ」
『…天馬』
天馬の服の裾を軽く引っ張った。
天馬「なんだよ?」
『待ってる、から…!』
天馬「!!
ありがとな…」
最後に私の頭をポンと叩いて、離れていった。
幸「……説得なんてできんのかね」
椋「できなかったら降板だよ!?」
『降板はないよ』
私は小さな声で呟いた。
椋「え…?」
『……内緒ね』
私は口元に人差し指を持っていって、しーっというポーズをした。
一成「テンテンいなくなったら、誰が主役やんの!?」
三角「オレ、やる〜」
一成「魔人どうすんの!」
三角「うーんと、うーんと、分身する!」
幸「やってみれば」
三角「にんにん……!」
一成「ってか、分身できるなら、テンテン分身すればいいんじゃね!?」
三角「そっか〜!」
幸「できないから」
いづみ「(本当に降板なんてことになったら、どうしよう……)」
『いづみちゃん』
いづみ「え……?」
『大丈夫、だよ』
いづみちゃんを安心させるように笑いかける。
今は、こんなことぐらいしかできないから。
いづみ「…うん!」
数時間後_______
椋「カントクさん、天馬くんから、何か連絡ありました?」
いづみ「ううん、何も」
『心配、だね…』
一成「ねえ、ヤバい見てこれ!」
大きな音を立てて、談話室に入ってきた一成。
手には携帯が握られている。
幸「何?」
一成「テンテンのブログ!
ずっと更新止まってたんだけどさ、今日更新された!」
『劇団に入団しました…?
これって……!』
幸「MANKAIカンパニーのことと、公演のことが書いてあるね」
椋「出演することは隠すって言ってたのに…」
一成「公表しちゃえば、出るしかないって思ったんじゃね!ネットニュースでもトップにのってたし!」
三角「てんま、頭いい〜」
『……ほんとに、ほんとにそうなのかな?』
幸「A?」
『いや、なんでもないよ』
いづみ「このことをお父さんが知ったらーー」
支配人「かかか監督、大変です!
天変地異の前触れかもしれません!」
一成と同じように大きな音を立てて入ってきたのは支配人だ。
いづみ「支配人?今、それどころじゃ……」
『完売したんだね』
いづみ「え?」
支配人「ど、どうしてそのことを!?」
『なんとなく、かな』
私はそう不敵に笑った。
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作者名:ろい | 作成日時:2018年6月30日 23時