GOD座に会いました ページ39
晴翔｢GOD座公演【オペラ座の怪人】よろしくねー｣
｢絶対行くからね！｣
晴翔｢………お嬢さん、お手を｣
｢え、え！？｣
女の人はわけも分からず手を乗せた。
すると………
晴翔｢クリスティーヌ……我が光……｣
｢きゃああ！｣
横で見ている幸の顔を見ると、少しだけ歪めている。
『ファンサービス旺盛だね』
幸｢うわー……｣
椋｢かっこいい……少女マンガの王子様みたいだ…！｣
幸｢ああまでして媚び売らなきゃならないのか……｣
『ちょ、幸……』
椋｢幸くんってば、聞こえちゃうよ｣
いや、絶対に聞こえた。ほら、歩いてきたし。
晴翔｢……ねえ、今、この辺から悪口聞こえたんだけど｣
椋｢……！！｣
私は咄嗟に俯いた。
メガネしてるとはいえ、顔を見られるのは嫌だしね。
幸｢気のせいじゃない｣
晴翔｢何このチラシ。どこの劇団だよ？｣
そう言い、チラシに書いてある文字を読む目の前の人。
晴翔｢ふーん、MANKAIカンパニー？全然知らない。
弱小のクセに何イキがってんの？｣
幸｢別に。あれだけ人気の劇団でも必死に客に媚び売らなきゃならないんだって感心してたんだけど｣
『ゆ、幸……！！』
晴翔｢お前………｣
急に手首を掴まれた。
『……！？』
晴翔｢顔上げて、見せて｣
そう言われて、手首を上に上げられる。私は抵抗して、上げないようにする。
晴翔｢早く上げろって…！！｣
『やっ、だ……！！』
幸｢ちょっと、何してんの｣
椋｢や、やめてください…！｣
『っ………』
一瞬だけ、手の力が緩まったのを確認できた私は幸の後ろに隠れた。
掴まれていた手首は少しヒリヒリする。
幸｢大体、他人に何してんの。
嫌がってるの見て分からないわけ？｣
晴翔｢あぁ！？｣
丞｢おい、晴翔ーー｣
『幸、大丈夫だから』
幸｢大丈夫じゃないでしょ。赤くなってるのバレバレ｣
私は手首を隠した。バレないかと思ったのに……。
騒ぎを聞きつけたのか、通行人が集まってきた。
｢ケンカ？大丈夫かな？｣
｢人呼んでくる？｣
レニ｢……なんの騒ぎだ？｣
｢あ！レニさんじゃん！｣
｢珍しい〜｣
晴翔｢レニさん……｣
レニ｢うちの団員が何かした？｣
幸｢うちの団員……？｣
レニ｢GOD座の支配人の神木坂レニです。晴翔が迷惑かけたかな｣
私は幸の肩をつんつんとつつく。
幸が私の方を向いたのを確認してから首を振る。
言わなくてもいい、という合図だ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 303人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ろい
| 作成日時：2018年6月30日 23時
