ロケット花火 ページ24
『それで、どうかしたの?』
一成「あー、えっーっと……」
私が聞くと少し口を濁らせた。
『??』
一成「いや、こんなこと聞くのもあれなんだけどっ!!」
『う、うん…?』
口を濁らせたかと思えば、勢いよく声を出す一成。
一成「Aちょんは、その……誰と線香花火したのかなぁ………って」
珍しく目を逸らしながら言われた。
『……いづみちゃんとだよ』
一成「カントクちゃんとか〜!なっとく〜☆」
私の言葉を聞くと、安心したのか笑った。
『一成は笑顔の方が似合う』
私はできるだけ優しく一成の右の頬に触れる。
一成「!!」
『よし、行こっか』
一成「え……?」
『花火、するんでしょ?』
一成「あ、ほんとだっ!!よ〜し、テンアゲで行こっ!」
一成に手を掴まれて、手を繋いでいる様な形で隣を歩く。
幸「ポンコツ役者、ロケット花火はドカーンって爆発しちゃうやつなんだよ」
天馬「何!?」
一成「そうそう、そんで中から爆竹が飛び出してきて頭の上に降ってくるんだよん!」
……ロケット花火、したことないけど流石にないでしょ。
『あまりにもバイオレンスすぎる』
天馬「危険極まりないじゃないか!」
三角「爆竹警報〜爆竹警報〜」
椋「ちょっと、みんなーー」
一成「それじゃ、点火するよー」
天馬「ま、待て!まだヘルメットの準備がーー」
一成「3、2、1………ゴー!」
三角「ゴー!」
天馬「おい!全員伏せろ!頭をガードしないと危ないぞ!Aもそこで突っ立ってたら危ないだろ!」
私はさり気なくロケット花火の近くにいた。
あ、被害が及ばないぐらいの距離だよ?
天馬「こっちだ!」
天馬に腕を引っ張られて抱きしめられた。
『っ!?』
多分守ろうとしてくれたのだろう。
でも、これは大分恥ずかしい……。
天馬の鍛えられた胸板と腕の感触っていうかそういうのがモロに感じる。
『て、天馬、あのさーー』
幸「ぷっ」
椋「天馬くん、大丈夫だよ。ほら、見て」
天馬「危ない!爆竹がーーん?」
一成「ごめんご!爆発ってのはじょーだんでした!」
幸「信じるとか……ぷぷ」
天馬「お前ら……!」
『天馬……そろそろ離してくれるとありがたいんだけど』
天馬「わ、悪い……」
天馬も状況を把握したのか冷静になっていた。
そして私は解放された。
実はと言うと、覆い被さられる様な形で抱かれてたから全然見えなかったんだよね。
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作者名:ろい | 作成日時:2018年6月30日 23時