原典のシェヘラザードなら ページ13
椋｢大人になりなよ、アリババ。幻のがくーー｣
天馬｢楽園｣
椋｢ごめんなさい！｣
椋｢大人になーーなれよ、アリババ｣
椋は指摘されると萎縮して、ミスが多くなる。
自身を持って続けるメンタル面が課題かな。
三角｢幻の楽園だろ？幻なんだから存在するわけないじゃん｣
三角は安定している…。
三角｢いい加減ーーあ！｣
『…？』
そんなセリフなかったよね？
『どうかしたの？三角』
三角｢Aっ！あの雲、さんかく！｣
天馬｢今、稽古中だろ！｣
三角の意外な弱点はここか…！！
もっと芝居に集中してもらわないとな。
幸｢ってか、シェヘラザードってなんで千夜一夜物語なんて始めたんだっけ？｣
一成｢なんかそういう仕事なんだっけ？｣
『それはないかな』
三角｢おむすびもらったお礼かな〜？｣
『それはもっとないかな』
一成｢んーつづるんいないからわかんないよね｣
天馬｢…その口ぶりならAは知ってるんじゃないか？｣
天馬のその一言で私に視線が集中する。
『…椋も知ってるよ？』
一成｢ええっ！？むっくん、マジ！？｣
椋｢え？うん、まぁ…｣
椋｢この脚本はアラビアンナイトをアレンジしてるから、違うかもしれないけど、原典のシェヘラザードなら……｣
一成｢原典だとどうなん？｣
椋｢王様が毎晩夜を共にした女性を処刑していたのをやめさせるために、自分嫁いで、毎晩物語を聞かせるんだよ｣
『そして物語の佳境まで話して、続きはまた明日、と約束することで、自分を処刑させるのをやめさせるの』
幸｢へえ、そうなんだ｣
一成｢むっくんとAちょん詳しい！｣
幸｢二人ともなんで知ってるの？｣
一成｢それな！｣
椋｢実はAさんと一緒に全巻読んだんだ｣
『一応、綴の脚本を手伝うために読んだんだけど、もう一度読もうと思った時に椋に誘われてね』
椋｢図書館で借りて、あっという間に読んでしまいました。少し大人なお話もあったりしましたけど面白かったです｣
三角｢えらいからスーパーさんかくクン進呈〜！｣
三角にそう言われ、黄色いさんかくのマスコットを渡された。
椋｢え、え？なんですか、これ？｣
『……なにこれ？』
幸｢マスコットのような謎の三角形の物体？｣
一成｢かわいい？かな？キッチュ〜？みたいな？｣
幸｢ムリすんな｣
いや、キッチュ〜？ってなに？
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作者名：ろい
| 作成日時：2018年6月30日 23時
