天馬の喧嘩腰の指摘 ページ12
『はい、着いたよ。お疲れさま』
天馬「ここが合宿所か……」
幸「いかにもって感じ」
椋「なんだか、部活の合宿を思い出すな」
三角「さんかく屋根〜」
一成「レトロでいいじゃん!インステあげよーっと。Aちょんも入ろー!」
『え、いや』
写真をあげるのはちょっと………。
一成「じゃあ、ゆっきーたちは!?」
幸「撮影不可」
一成「えー!」
天馬「ぐずぐずするな、さっさと行くぞ!」
三角「はい、は〜い!」
幸「なんで、そんなにやる気満々なわけ…」
椋「行こう、幸くん!」
幸「うん、Aも行くよ」
私は不意に腕を引っ張られた。
『わっ…!!』
幸「ちょ…!」
椋「だ、大丈夫ですか!?」
私は両腕を幸と椋に支えられていた。
『これ、前にもあったね』
椋「そうですね…」
幸「はぁ…大丈夫なの?」
『うん、ありがとう』
そう言い、私達は肩を並べて合宿所に入った。
『二泊三日、いづみちゃんはいないけどみっちり稽古するつもりだから、みんながんばろうね』
『 まずは冒頭の読み合わせから。前回の反省を生かして、今度はもう少し掘り下げていこう』
幸「気をつけてね、アリババ」
天馬「おい、ここのシェヘラザードはそんな能天気じゃない」
幸「はあ?」
天馬が喧嘩腰で幸に演技の指摘をした。
私が説明しようかと思ったその時……
幸「……ああ、王様からハーレム要員になれって言われてるからか」
天馬「そうだ。脚本でそれが明らかになるのは終盤だが、役者はそれを踏まえて演技しろ」
幸「はいはい」
…やっぱり、天馬の喧嘩腰の指摘は相変わらずだけど、わかりやすくなった。
ここは天馬に任せようかな?
幸「あんた、昔から人の話を聞かないっていう致命的な欠陥があるから」
天馬「そこも。アリババに対する気持ちがこもってない。感覚的にやるな」
幸「……分かってるよ」
私は持っていたメモ帳に各々の欠点を書く。
幸は台詞をさらっと流しがちだけど、天馬に細かく指摘されて良くなってる。
一成「あ、あの子もマジかわいい。ねぇねぇ、オレと遊びに行かない?」
天馬「そこはもっとテンション上げる」
一成「え?そーなの?」
天馬「未来の嫁なんだから、他の子をナンパする時よりも変化させる」
一成「ふーん。そういうもんなんだ。オケオケ!」
一成「あ、あの子もマジかわいい。ねぇねぇ、オレと遊びに行かない?」
一成は上手く役をつかんでるけど、それ以上に踏み込もうとしないね。
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作者名:ろい | 作成日時:2018年6月30日 23時