台本の読み合わせ ページ2
翌日
いづみ「今日から読み合わせを始めるけど、みんな台本はちゃんと読んできたよね?」
いづみちゃんが夏組に問いかける。
幸「はーい」
天馬「当然だ」
三角「台本って何〜?」
『そ、そこから?』
椋「この間、綴さんが書いてくれた脚本ですよ」
一成「すみー、魔人の役だったじゃん」
三角「ランプの精〜!」
一成「そうそう」
これ、大丈夫なの…?
『それじゃあ、セリフを読みながらそれぞれの役をつかんでいこう。冒頭からよろしく』
幸「今宵も語って聞かせましょう。めくるめく千の物語のその一つ……」
今回はアラビアンナイトをモチーフにしたコメディ劇。
シェヘラザードとアリババが幼なじみっていう設定で、二人を中心におとぎ話の主人公たちがオアシスを探すというのが大筋。
天馬「教えてくれ、シェヘラザード!幻の楽園オアシスはどこにあるんだ!?」
幸「では今宵も語りましょう。昔々とある国に…」
天馬「前置きが長い!三行で!」
幸「アラジン、魔法のランプ、魔法使い」
幸の演技はまだ手探りの状態だけど、天馬はもうアリババの役をつかんでいる。
コミカルな演技も問題はないみたいだね。
演技はばっちりか………。
一成「アラジン……?オレと何か関係あんのかな?」
一成「まあいっか。ねえねえ、キミかわいいね。名前なんていうの?」
一成はアラジンのナンパな性格と近いし、やりやすそうに感じる。綴の当て書きが攻を奏した感じに思う。
三角「俺は魔人。三つの願いを叶えてやろう。主の願いは何だ?」
天馬「ぎゃああ!尻に火がついた!」
一成「見れば分かるだろ!?あの魔法使いと大蛇をなんとかして!」
三角「魔法使いと大蛇か。それぞれ一つずつ、二つの願いを使うことになるがよろしいかな」
一成「なんでもいいから早くして!」
三角「承知した」
三角もはまってる。
浮世離れしたところがうまく魔人に活かされてる。
天馬「お前シンドバッドのくせに、黄金のありかとか知らないのかよ!」
椋「えっと……」
椋「大人になりなよ、アリババ。幻の楽園なんてないんだよ。一発逆転で億万長者になんかなれないんだって。真面目に働け」
天馬「………なんだそれ?授業で朗読させられてるんじゃないんだぞ」
椋「ご、ごめん!」
椋「大人になれ、なるーー」
椋「あっ、ごめんなさい」
天馬「はあ………」
椋が間違えたら、不機嫌そうにわかりやすくため息をついた。
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作者名:ろい | 作成日時:2018年6月30日 23時