OB ページ29
『…もうすぐで来る頃かな?』
時計を見ながら朝食の準備をする。
その時、扉が開く音がした。
『おはよー』
幸「……はよ」
三角「……ぐー」
一成「ふああ……」
椋「おはようございます……」
天馬「……眠い」
『どうしたの?枕、合わなかったの?』
幸「ちょっとね……」
一成「男子会で盛り上がりんぐ〜」
『だ、男子会…?』
まぁ、仲良くなれたならよかったけど…。
翌日______
私たちは寮に帰ってきた。
そして今は稽古をしようとしている。
雄三「おう、夏組始動したって?」
扉を開けて入ってきたのはジャージを着たおじさんだ。
いづみ「雄三さん!来てくれたんですね!」
雄三「ちょうど時間ができたからな」
『いづみちゃん』
いづみ「あ、この人は元春組で今は演劇学校の教師をしている鹿島雄三さんだよ!」
『……どうも』
私は会釈をした。
雄三「おまえ、どこかで……」
いづみ「Aちゃんは助監督兼演技指導なんです」
雄三「A、か……」
『思い出しても言わなくていいので』
雄三「生意気に育ちやがって…」
『あはは』
私は乾いた笑みをこぼした。
雄三さん、覚えてたんだ。
天馬「雄三……?」
幸「誰、あのおっさん」
一成「やべー、ヤクザじゃね?」
三角「あのおじさん、どっかで見たことある〜」
『え…知り合い?』
三角「さんかく仲間〜?」
天馬「なんだそれ」
いづみ「みんな、紹介するね。
初代春組の劇団員で今は芝居を教えている鹿島雄三さん。実は春組も稽古してもらって、夏組も引き続き見てもらうことになったの」
『それじゃ、一旦通し稽古で見てもらおうか』
雄三「さて、お手並み拝見といこうか」
天馬「……おまえら、気を引き締めてやれよ」
幸「なんで?」
天馬「いいから」
幸「……」
三角「は〜い」
椋「な、なんかドキドキするね」
一成「ま、今までどーりやろーよ!」
いづみ「はい、冒頭から!」
幸「今宵も語って聞かせましょう。
めくるめく千の物語のその一つ……」
______________
雄三「………」
いづみ「…どうでしょう?」
雄三「まあ、春組よりは多少ましか」
雄三「でも、まっったく笑えねえ。コメディ劇としては致命的だな」
幸「は?」
雄三「特に主役のアリババ。笑いってもんをまったくわかってねえ」
私は雄三さんが言ったことを殴り書きでもいいからとりあえずメモする。
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作者名:ろい | 作成日時:2018年6月30日 23時