酸化した舞台から飛び降ります。【A3!】

よく分からない寂しさ ページ30

私はお皿を回収するために三角の部屋に行った。


『三角、入ってもいい？』

三角｢うんっ！いいよ〜！｣


かなりの量があったおにぎりは綺麗に無くなっていた。


三角｢はい！どーぞ！｣

『うん、ありがと』


三角は私にお皿を手渡してくれた。
私がお皿を持っているからだろうか？抱きつきに来ない。


三角｢A、お芝居って楽しい〜？｣


三角特有の少し間延びのある話し方で私にそう問いかける。


『うーん、人によるんじゃないかな？』

三角｢Aは？楽しいって思ってるの？｣


純粋な疑問だろう。
でも、私はすぐには答えられなかった。


『……そう、だね。楽しいかな』

三角｢そっか〜！｣

『それにしても、どうしてそんな事聞くの？』

三角｢ううんっ！なんでもな〜い！｣


何かを隠しているように思える三角に疑問が浮かぶけどあえて聞かない。


『みすみっ！』


私は三角に声をかけてから抱きついた。
もちろんお皿を置いてね。


三角｢なぁに〜？｣


もう少し、もう少しで三角とお別れの日が来てしまう。それが嫌だって思ってるからかな。
ホームシックとは違うよく分からない寂しさが私を襲う。


三角は私の頭を撫でている。
その手つきは凄く優しかった。


『……ううん、なんでもない』


私は三角の背中に回している手を離した。


『また、明日ね。おやすみ』

三角｢…うんっ！おやすみ〜！｣


私が三角の部屋から出て行こうとすると後ろから声をかけられた。


三角｢A｣

『？？
なに、どうかしたの？』


そう言った瞬間、優しく頬を手で包まれた。


『えっ、と……？』

三角｢やっぱり、顔、赤いよ〜？
だいじょうぶ？｣


コツンとおでこをくっつけられて、顔がすごく至近距離にある。


『だっ、大丈夫、だから……』

三角｢また赤くなった〜？｣

『っ………三角』

三角｢な〜に？｣

『恥ずかしい、から、ダメ……！』


自分の顔を手で隠して、何とか阻止。


三角｢A、かわいいね〜｣

『そ、そう言うのは好きな人に言って……』

三角｢オレ、Aの事好きだよ〜？｣

『わ、わかったから！！
とりあえず、ちょっと待って！』


顔の赤みをなんとか抑えて、三角を見る。


三角｢さっきの近さだと…キス、できたね〜！｣

『っ！？』


私は無我夢中で三角に背を向け歩き、部屋から出た。


『おやすみ！！』

三角｢おやすみ〜！｣



それからというもの、三角の部屋に行って過ごすのが習慣になってきた。

作者の呟き→←お兄ちゃんって呼ぶのは一回だけ

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