プロローグ ページ2
．
「こんにちは〜」
私は今、従姉妹のお家にお邪魔している。
「お久しぶりです。これどうぞ、母からです」
｢あら、ありがとう｣
キョロキョロと周りを見渡してみるも、姿はない。
しょうがないと思いつつ、おばさんに聞いてみることにした。
「…いづみちゃん今日は、」
｢…あぁ、あの子なら少し前にここを出て行ったわよ｣
「え？」
いづみちゃんがこの家を出た？なんで？どうして？
「ど、どうして？」
｢なんでも、あの人が監督をしていた劇団を見に行くって言って、そのままその劇団の監督になって住むことになったのよ｣
「……どこの劇団ですか？」
｢たしか、”MANKAIカンパニー”だったかしら？｣
まんかい、カンパニー…。
下げていた顔をバッと上げて急いで玄関の方へ向かう。
「ありがとうございます！失礼します！」
＿＿＿＿＿
私はおばさんの静止の声も聞かず自宅へと走り出した。
私は慣れた手つきで電話帳を開き、いづみちゃんの名前をタップする。
……出てくれるといいんだけど。
「はい、もしもし？」
「いづみちゃんっ！」
「わぁ！？急に叫ばないで！！」
あ、ついつい。
電話越しに苦笑いになりつつも、深呼吸をしてまた口を開いた。
「ごめん、それより劇団の監督になったって、」
「うん、そうだよ」
「…なんで急に？」
「お父さんが監督だった劇団だよ！？
そこから急に手紙が来たから…まぁ、成り行きで？」
成り行き、ね。
……また、置いてかれちゃう。
「…そう、なんだ。じゃあまた、」
「ちょっとまって！！」
私が電話を切ろうとすると、いづみちゃんの叫び声が聞こえてきた。
「……急に叫ばないでよ〜、何？まだあるの？」
「A、お願いがあるんだけど…ね？」
「なぁに？早く言って」
「演技指導者として、助監督としてMANKAIカンパニーに来てくださいっ！」
「……は？」
その言葉を聞いた時、心の奥底からどす黒いものがフツフツと湧き出てくる感覚に焦った。
スマホを持っていない方の手を握りしめて恐る恐る口を開く。
「ねぇ、私は前に言ったよ？
”もう舞台には立たないし関わらない”って」
「じゃあ、ずっとそのまま？」
核心を突かれた気がして居心地が悪い。
「ずっとそのまま意地張って逃げるの？そんなの、Aらしくない！」
らしくない、なんて言わないで。
私はいづみちゃんだけには否定されたくなかったのに。
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かはら - ろいさんの作品大好きです！頑張ってください！ (2021年1月4日 16時) (
レス) id: 2f778f3504 (このIDを非表示/違反報告)
クリスティ38(プロフ) - 曲がりなりにも助監督にたいして、口がわるすぎないですか天馬。そこからの、流れも違和感あるし少し読んでて不快でした。 (2020年3月10日 22時) (レス) id: eb0de2c665 (このIDを非表示/違反報告)
れるりく(プロフ) - あっいや修正中ですね！？すみません！！すっごく前からこの作品見てます！好きです！！ありがとうございます！！ (2020年2月8日 17時) (レス) id: d5b76f9b62 (このIDを非表示/違反報告)
れるりく(プロフ) - 更新再開したんですか！？まじですか！？ (2020年2月8日 17時) (レス) id: d5b76f9b62 (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 夢花 ゆめいろ星（スター）の夢花さん» はい！よろしくお願いします！ (2018年7月6日 0時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろい
| 作成日時：2018年5月20日 19時
