酸化した舞台から飛び降ります。【A3!】

さんかくさん、一体何者？ ページ19

次の日



『えーっと、ここが203号室だよね……？』


私は夏組が使う部屋の掃除をするために、各部屋を回っていた。

ここが最後の203号室なんだけど………。


？｢……かく｣

『っ！？』


誰も住んでいないはずの203号室から声が聞こえた。気のせいかと思い、耳を澄ませてみると……。


？｢……かーく｣


やっぱり気のせいじゃなかった！！


『……こうなったら開けてみるしかない、よね？』


私は覚悟を決めて、部屋を開けた。


『失礼しま、す！？』

？｢あ〜！！だ〜れ？｣

『え、えっと、ここの劇団寮に住んでいる、花園Aです？』

『あの、あなたは誰ですか…？』


私は目の前で飛び跳ねている人に問いかけた。


？｢オレ？斑鳩三角〜｣

『……斑鳩三角、さん。この部屋は一体？』

三角｢これはオレの宝物！｣

『斑鳩さんは、いつからここに住んでいたんですか？』

三角｢んー………と、劇場でなんか始まる前？｣

『え……』


私よりも前ってこと！？下手すれば咲也さんよりも前？


三角｢ねぇ！A！オレの事は三角って呼んで！｣

『え、いや、でも、年上ですよね？』

三角｢いいの〜！ほら呼んで！！｣

『み、三角？』

三角｢うんっ！敬語もいらな〜い！｣

『……分かった。よろしくね、三角』

三角｢よろしくさんかく！｣


三角はそう言って、私に抱きついてきた。


『な、なに？』

三角｢やっぱりAはおにぎりの匂いがする〜！｣

『あ、おにぎり作ったからかな？』

三角｢えー！！ほんと？｣

『ほんとだよ？食べる？』

三角｢うんっ！｣

『じゃあ、此処で待っててね』


三角は私を抱きしめていた腕を離してくれた。

私はキッチンに行き、おにぎりが並んでいるお皿をとって三角の所に向かった。


『三角？』


私はドアから顔を出して、三角がいるか確認した。


三角｢はーい？｣


三角も私のマネして、ひょこっと顔を出して笑った。


『おにぎり、持ってきたよ』

三角｢わ〜！A、ありがとー！｣


三角はそう言い、また抱きついてきた。


『……うん、とりあえず食べよっか』


私と三角はおにぎりを食べながら、三角がどうやってこの部屋に入ったか、何故ここに居るのか……などいくつかの質問をした。


『三角はどうやってこの部屋に入ったの？』

三角｢窓、開いてたから、入れたよ〜｣

『あれ？ここって2階、だよ？』

三角｢登ってきた〜！｣


……三角って一体何者なの？

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