４６．がんばらない ページ9
．
「しらぶ〜」
無事に第1体育館に着いた私は白布を真っ先に見つけてその場から駆け寄る。
「また髪、ほら」
「…ありがとぉ」
私の髪を手馴れたように直したその手をぎゅっとちょっとだけ握ってへらりと笑った。
「熱か？」
「違う、セラピー」
「……俺が？」
「うん」
素直にそう言うと白布も笑って大人しく握らせてくれた。
それを見てた川西と五色が仲良しだね、なんて会話をするからちょっとだけ頬を緩めた。
「そういえば白鷺っていつ、スポドリとかタオルとか用意してんの？」
「それ、オレも気になってました！！」
「……やる気ある時にしてるの」
私、そんなにやる気なさそうに見える？？
自分で言うのもアレだけどこの合宿来てからちょっとはやる気出してるのに。
「確かにいつも無気力だけど、いつもよりちょっとは頑張ってるだろ」
「流石、まま」
スンって真顔になった白布から軽く離れて、試合前のストレッチを促す。
次の相手は……梟谷だっけ。
「監督〜」
「……用意出来てんのか」
「スポドリもタオルもビブスも完璧デス。
で、予測でしたっけ」
「コースの読み方、アイツらに教えてやれ」
邪魔な髪の毛を耳にかけてちょっとだけ目を閉じてまた開く。
スコアノートを片手に口を開く。
ストレート、ツー、超インナークロス、バックアタック。
そうやって言って何回かコースの読みを外しつつも何とか全部を終わらせる。
「目線の先とか手の向きとか、セッターの癖とか……？」
ボソッて呟いて違うかなあ、なんて自己完結で終わらせる。
確かに今思えばなんで分かるんだろー、ずっと見てたからかな。
「…………まえ、」
ぼくとさんのフェイント。
多分、今試合では初のやつ。いつもはストレートとかクロスの強打で終わらせてたからブロッカーが警戒するのもそれ。天童さんのゲスいアレも読み間違えて前が空いた。
「もしお前が男で選手だったらあのジジイも喜んでただろうな」
「……反抗期2人も要らないと思いますケド」
兄さんの反抗も大概だけど私が男だったらそれもまた然り。
でもそれとはまた関係なく、多分、きっと、
「…………1日の
「じゃあ今が奇跡か」
「そうデスね」
でもそれが無かったら兄さんとこんな関係になってなかったよねぇ。
．
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黒猫。(プロフ) - 白鷺ちゃんのキャラめっちゃ好きです！お話もとても面白かったです！更新頑張ってください！応援してます！ (2022年2月11日 19時) (
レス) @page13 id: abf8c53ec1 (このIDを非表示/違反報告)
元薺(サイ)だった者(プロフ) - 初めまして！繰り返し読ませてもらってます！！あの、気の所為だった申し訳ないんですが白鷺兄妹の過去というか因縁ってあんスタの朔間兄弟をイメージされましたか？とても好きな設定で何回もこの小説読んじゃいます！これからも無理せず頑張って下さい！ (2021年10月24日 21時) (レス) @page11 id: 5a1541447c (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 1話1話の内容が読み応え(濃くて)があって、読んでいると時間を忘れる作品でした！更新頑張ってください（ｹﾗｯ､､､一気読みしちゃった笑 (2021年9月1日 21時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろい
| 作成日時：2020年6月29日 21時
