４４．がんばらない ページ7
．
「双子がごめんな。白鷺さんやんな？」
「大丈夫デス。…………あ、稲荷崎の主将の、」
「北や。俺らとの合同合宿が始まる前もなんかこいつらが迷惑かけたみたいで申し訳ないわ」
北サンが無表情でそう言うのを見てから、チラリと2人に視線を一瞥すると今さっきまでのアレはなんだったのか縮こまっている。
「侑、柔軟したいんやったら俺が手伝ったるわ」
「え、いや、北さんの手を煩わせるんは……」
「じゃあなんやねん、白鷺さんの手を煩わせるんはええんか？」
「そっ、…いや、そうやなくて、」
図体でいえば宮の方が大きいのに北サンの威圧感がすごすぎてなんか大きく見える。
すぐそばにいた銀髪の方の宮が私のジャージを引っ張るのを見てまた始めと同じように背中を押す。
「…なあ、白鷺さん。下の名前で呼んでもええ？」
「良いけど」
「Aちゃん、」
押す力を弱めて、今度は私が練習着を引っ張る。それに気づいた宮が目を丸くしてこっちに振り返る。
「おさむ、」
「！！
Aちゃん好きや！！！！！」
「っ、う……なんで」
目の前にボールを差し出されて待てを言い渡された犬みたいに目をキラキラ輝かせたかと思えば、途端に抱きついてきた宮。
勢いを殺せずにそのまま体育館の固い床に、上半身は勢いよく倒れる。
「宮、ごめん手……」
「なん？大丈夫やで、Aちゃん軽いもん」
「頭はいちばん重いから言ってるんだけど」
頭が痛くないと思えば、宮の左手が下にあることを倒れ込んだ後に気づいた。
ホールドからなんとか抜け出してそう言うと本人はケロリ、と気にしていない様子で答える。
「…………もし、折れてたらゴメン」
「……じゃあ、折れとったら責任とってくれるん？」
「ある、程度はまあ」
「じゃあ、」
宮がそう言いかけたところで、向き合っていた状態の私たちの距離を離す金髪が見えた。
「Aちゃんの優しさ利用して変なことすんなや」
「……人格ポンコツ野郎に言われた無いんやけど」
「なんやとこの暴言クソ豚！！」
ほらまただよ…。
止めるのもめんどくさいし…、いや一応2人も選手だしでも、うぅん。
悶々と悩んでいるとすぐそばで動画を撮る瞬間の音が聞こえた。
見てみると稲荷崎であろうキツネ顔の人がスマホを取り出して動画を撮っていた。
「……事後報告？」
「まあ、そうとも言うかな」
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黒猫。(プロフ) - 白鷺ちゃんのキャラめっちゃ好きです！お話もとても面白かったです！更新頑張ってください！応援してます！ (2022年2月11日 19時) (
レス) @page13 id: abf8c53ec1 (このIDを非表示/違反報告)
元薺(サイ)だった者(プロフ) - 初めまして！繰り返し読ませてもらってます！！あの、気の所為だった申し訳ないんですが白鷺兄妹の過去というか因縁ってあんスタの朔間兄弟をイメージされましたか？とても好きな設定で何回もこの小説読んじゃいます！これからも無理せず頑張って下さい！ (2021年10月24日 21時) (レス) @page11 id: 5a1541447c (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 1話1話の内容が読み応え(濃くて)があって、読んでいると時間を忘れる作品でした！更新頑張ってください（ｹﾗｯ､､､一気読みしちゃった笑 (2021年9月1日 21時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろい
| 作成日時：2020年6月29日 21時
