みじかいゆめ。【地縛少年花子くん】 (ページ13)

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こっち向いて七番様ページ13

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「七番様～」

「……」

ニッコリ笑って七番様の名前、いや名称を呼ぶと整った顔をこちらには向けてくれるけどぷいっとすぐそっぽを向かれる。

悲しげな表情を作ると一瞬だけ申し訳なさそうな顔をするもパチリと自分の頬を叩き、無視を決め込むのだ。
もうここまでくると単純にひどい。

「うぅ～…ネネちゃん、どう思う？」

「え、ええっ！？
う、うーん、花子くんがそんなことするとは思えないけど……」

「でもっ、私が嘘言ってるようにも見えないでしょ～？」

「…………これは、花子くんが悪い！ギルティ！」

「ぎ、ぎるてぃ…？」

やめて、ネネちゃん。
私結構前に幽霊になったから最近の言葉分からないカラ！

ふんす！とどこか気合いの入ったネネちゃんの可愛らしい姿を見て七番様の気配を察知する。

「またね、ネネちゃん」

「もう帰っちゃうの？」

「七番様が帰ってきちゃうからね」

寂しそうなネネちゃんの頭を撫でて手を振って、屋上に向かった。

「うぅん…今日は星が見えないな～」

ざぁんねん。
星を見ると何か思い出せる気がしたのに。

そう思いながら笑って、屋上の尖った柵の上に立って歩く。ゆるり、と冷たい風が優しく吹くけど落ちそうにはない。落ちたところで死なないんだから。

「カタカナー！
お願い事聞きに来たよ！カタカナの願いはなぁに？」

「あははぁ、落ちる～」

むぎゅうっと後ろから突撃してきたのはツカサくん。
息を吐き出すみたいに笑って七番様とそっくりな顔つきのツカサくんの肩を借りてぴょんっと降りる。

「ないよ～」

「…ホント？？」

「ほんと。ウソついてるように見えるかなあ」

「見える！」

信用ないなあ、私。

…ヤダな～、見れば見るほど七番様に見えてきた。
ツカサくんと七番様は違うのに。

「………………」

「カタカナ～？」

「ツカサくん重いよ、どうしたの？」

「んーん、なんでもなーい！」

変なの、ツカサくんってば。