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「っひ！」
「びっくりしちゃったかな？ごめんね。
する前に一言声かければ良かったのに、急に抱き締めちゃって」
少し低い先輩の体温が直に伝わる。
服もびしょ濡れのまま後ろから抱き締めてくるなんてなんの意味も無いでしょ。
……。そう思いながらもやっぱりほんのちょっと、ちょっとだけドキドキもしてる。
「耳真っ赤、…恥ずかしい？」
「……先輩がこんなことするからですよ」
そう言うと真上で愉快そうな笑い声が。
「Aちゃん、蒼井には何もされてない？」
「いや、なんで蒼井くん？」
「一応、ね。蒼井も『その対象』に入ってるから」
ああ、そういえばそうだっけ。
でも別に、業務もこなしてくれるし結局はいい人にしか思えない。…先輩に対しての態度は中々にアレだけど。
「…Aちゃん、いい匂いする」
「っ、だから！先輩そういうことやめてください、犬じゃないんだし匂いとか恥ずかしい！」
なんだろう、先輩相手には素直に喜べない。いや、というか…匂いに関しては喜べるもの？
悶々とひとりで考えていると、後ろから不意に手を握られ顎をクイッと上に上げさせられた。
「僕が犬だったら…Aちゃんはもちろん可愛がってくれるよね？」
ニコリ、てよくある効果音がつきそうなぐらいに微笑まれた。
…なるほど、世の中の女子はこれにおちてるんだ。
「僕、今は犬だから何してもいいんだよね？」
念入りに聞いてくる先輩はほんとのいまさっき、私の耳にふにりと唇を押し当てた確信犯。
流石に力じゃ敵わないし逃げられそうにない。
「っ、先輩は犬じゃなくて人間でしょ」
また耳に唇を押し当てて、遊び始める先輩は聞く耳を持たない雰囲気。
「犬と人間、どっちの方が好き？…あ、僕の場合だよ」
つまりは今みたいに犬状態の先輩かいつも通りの先輩、どっちが好きかって質問？
……取捨選択は苦手だって、先輩は知ってるはずなのに。答えずに押し黙っていると、頬に手を添えられた。
「ごめんね、ちょっと意地悪な質問だったかな。
…でもちゃんと答えてくれなくちゃ。どっちの僕が好き？」
「っ、…………にん、げん」
私の回答に満足そうに笑ってどんどん、顔の距離を近づけてくる。
「好きだよ、Aちゃん。ずっと僕が守ってあげる」
ちゅっと触れたその唇はほのかに熱を持っていた。
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ろい(プロフ) - さくらさん» ありがたい言葉です！すっごく嬉しいです、これからも更新頑張ります！！ (2020年3月10日 23時) (
レス) id: 9883bc7676 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 長々と書いてしまいそうなのでまとめて、文章が凄い好きです！更新頑張ってください！ (2020年2月29日 23時) (レス) id: f3613561c3 (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - みわさん» 司くんを書くといつもこうなっちゃいます……、、完全に私好みです、すいません (2020年2月17日 1時) (レス) id: 9883bc7676 (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 月ヶ瀬@猫さん» コメントありがとうございます！頑張りますー！ (2020年2月17日 1時) (レス) id: 9883bc7676 (このIDを非表示/違反報告)
みわ - 司くんえちえちですね、、すきです (2020年2月16日 22時) (レス) id: 5664b5d869 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろい
| 作成日時：2020年2月15日 20時
