つかさ。 ページ7
『欲張り』
とある空き教室で出会ったコ、それがカタカナだった。
カタカナは必要以上にオレを毛嫌いしてて、それはもう話しかければ噛まれそうなほど。
懐いてくれないネコみたいだし、オレは逆にそういうの余計に構いたくなる性だから。
「あっ、カタカナだ」
「!!
………………ちょっと」
「どうして逃げるノー?声掛けただけなのに」
空き教室に引きずり込んで、鍵をかけて閉じ込める。
そのまま壁際まで追いやると悔しそうにオレを睨んできた。
「ねぇ、カタカナ。すきだよ」
「……そういうの、いい。いらないから」
「ホントだよ?ホントにオレ、カタカナのことすき」
「…………」
不機嫌そうにそっぽを向くカタカナを見てやっぱり従順じゃないや、なんて呟く。
まあ、別にイイんだけど。
もう少し、もう少しでカタカナはオレの方に自分から堕ちてくれるんだもん。
生きてる人間に対してウワサを流すのって結構大変だったから、苦労したなあ。でもその苦労もカタカナがオレのものになるって考えたら関係ない。
「カタカナ、こっち向いて」
「いや」
「向いてってば〜」
ケラケラ笑いながら顎を掴んで無理やりオレの方に向かせた。苦しそうなカタカナの顔が目に入って加虐心が煽られる。
……ほんとっ、殺したくなっちゃう。
殺さないように、殺さないように。それだけを考えて形のいい桃色の口にそっと口付ける。
ちょっとだけ熱くなってる、…もっともっと熱くしてあげる。
「っや…!」
「あはは、かわいー反応してるねェ。
…こわいかお、でもカタカナのそのかおだいすき」
ふぅっと、耳に息を吹きかけてそのまま耳たぶをぺろりと舐めて。
ピクリと肩が揺れたのを見て笑う。
無意識なのが天性のものダヨネ、本人にその気はなくても誘惑されてるみたいでサ。
「っ、!!」
油断してたら足を蹴られた。
えー、それは流石にナイよね。お預けくらっちゃったあ、でもいいや。
どーせ明日になったら、そんなのも無くなるんだから。
「あ、シルシつけ忘れちゃったァ〜」
はーあ、つけようと思ってたのに。
ちょっと欲張りすぎたカナ?…でも我慢できなくなっちゃう前に終われたのはラッキー。
命拾いしたネ、カタカナ。
また明日、今度は旧校舎で。
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ろい(プロフ) - さくらさん» ありがたい言葉です!すっごく嬉しいです、これからも更新頑張ります!! (2020年3月10日 23時) (レス) id: 9883bc7676 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 長々と書いてしまいそうなのでまとめて、文章が凄い好きです!更新頑張ってください! (2020年2月29日 23時) (レス) id: f3613561c3 (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - みわさん» 司くんを書くといつもこうなっちゃいます……、、完全に私好みです、すいません (2020年2月17日 1時) (レス) id: 9883bc7676 (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 月ヶ瀬@猫さん» コメントありがとうございます!頑張りますー! (2020年2月17日 1時) (レス) id: 9883bc7676 (このIDを非表示/違反報告)
みわ - 司くんえちえちですね、、すきです (2020年2月16日 22時) (レス) id: 5664b5d869 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろい | 作成日時:2020年2月15日 20時