融解。【地縛少年花子くん】 (ページ9)

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9回目ページ9

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「っ、ごめっ、遅くなっちゃって……」

走ったせいで乱れた息を整えようと深呼吸をしていると腹部に衝撃が。
そのおかげで頭をトイレの壁にぶつけた。ジンジンと鳴り響くような痛みを持つ頭を片手で押さえて、下を見てみるとそこには花子さんが頭をぐりぐりと押し付けるような形で抱きついていた。

「……来ないかと思った」

小さく呟かれたその声は消えそうなのにトイレの中でやけに響いた。

「？？
……A、ここに来る前に誰かと会った？」

「うんまぁ、友達とかとなら会ったけど」

「そうじゃなくてっ、……俺と同じ怪異とかさ」

怪異、とその言葉に引っかかる。
移動教室中にあった出来事を言おうと口を開いた。

「…花子さんにそっくりな子が追いかけてきて」

「俺にそっくりな子？」

「うん、頬に貼ってある御札が反対で書生服着てる子」

そこまで言うと花子さんの顔つきが変わった。
…なんて言えばいいのか分からないけど影があるって言うかなんかそんな感じ。

抱きついていた腕を離したと思えば不意にスカートの中に手を突っ込んできた。

「っや、ちょっと、！」

下着に触れるか触れないかの微妙なラインを触ってたまに内側を爪で形取るその動きはもう下心しか感じられない。

それをやめたかと思えば次は私の髪を持ち上げて露出した首筋や耳を触ったり舐めたり、噛んだりし始めた。

「…見つけた」

ポツリと呟いたと思えばその瞬間にカプり、と噛み始めた。

「花子さっ、いた、い」

表情が伺えなくて怖い。

でもいつもの花子さんならこんな乱暴に何かをしたりはしない。じゃあ私が何か癇に障る様なことをしたってこと…？

「ねェ、A。
折角マーキングしたのに浮気しちゃダメじゃん」

片手で私の顎を持って自分の唇を舐めてそう言う花子さんがやけに艶かしい。

半開きになった私の唇と花子さんの唇がゆっくりと重なった。

「っは、まっ、て」

息が出来ない。
息継ぎすらさせてくれないキスに頭がクラクラする。

キスに集中していた花子さんは不意に私の方を見た。するとまだ足りない、とでもいうように笑ってまた唇と唇が触れる。

「んぅ、ふっ、」

触れるだけじゃ終わらなかった。

あろう事か花子さんはそのまま舌を入れてきた。あっという間に花子さんの舌に捕まってもうなされるがままになる。

立つのが難しくなった私は倒れないように花子さんの服を弱々しく掴むことしか出来なかった。