36.がんばらない ページ44
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「これで全部なん?」
「……うん、全部」
金髪の方の宮からの問いに一応、メモを見て確認して返事をする。
「重いやろ、持つわ」
「いや、別に平気」
「ええから。フラフラしとって怖いねん」
「…どうも」
無理やり取られた荷物を見ながらも一応小さくお礼を言うと、2人は目を見開く。
「なるほどな、サム」
「せやろ、ツム」
よくわかんないけど2人して意気投合してる。
まあ別に喧嘩しなかったら何でも良いんだけど。
「そーや、白鷺さん。俺、名前教えてって言ったけどもうええわ」
「そー、そっちの方が嬉しいけど」
「もう1回、もし会えたら教えてや。
やったらええやろ?」
「俺は治で、こっちの人格ポンコツ野郎がツムな」
「お前ほんまぶっ飛ばすぞ、サム。
…白鷺さん、俺は侑な」
おさむとあつむ。
……知ったところで名前は呼ばないだろうけど、一応。覚えておこうかな。
「はーあ、白鷺さんほんま俺らん所の高校こーへん?」
「なにアホなこと言うてんねん、ツム。
俺ら兵庫やぞ」
「……兵庫?」
「そやで、稲荷崎ってとこ。白鷺さんは…白鳥沢か」
「うん」
やっぱり割と、学校はジャージで判断されることが多いらしい。
ウチの所は白と紫。烏野は逆に黒一色だし、青葉城西は白と水色。音駒は赤一色で梟谷は黒と灰色(?)と白色。知り合いこそ居ないけど伊達工は緑と灰色。
稲荷崎は……結構上品な方の赤に黒色。
「白鳥沢って宮城やろ?なんで東京におるん?」
「他校との合同合宿」
「ほーん、強豪って大変やなあ」
「…2人は、」
「あ、ついたわ。
道案内ありがとうな、白鷺さん。また」
言葉を遮ってそう言ったのは銀髪の方の宮。
最後にちょっと前のめりにしゃがんだと思えば、カプリと鼻に噛み付いてきた。
「はぁ!?サム、お前……」
「んじゃあな、白鷺さん」
「ごめんな、白鷺さん。じゃあまた。
……おい、サム!待てや!!」
ぼんやり立つのも数秒。
噛まれた鼻を見られないように押さえてゆっくり、荷物を渡してもらって2人がその場所……合宿所に入るのを見ながら自分たちが使っている合宿所に戻る。
それにしても近い。
300メートル、あるかないかのレベル。
「あっ、白鷺先輩!お、お疲れ様です!お荷物お持ちします!」
「でも重いから」
「いえ!谷地仁花、白鷺先輩のお荷物を持てるなら本望であります!!」
「あり、ます……?」
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ろい(プロフ) - ヒナさん» 果たしてオチはあるのか…??(すっとぼけ顔)コメントありがとうございます、更新頑張ります! (2020年6月24日 21時) (レス) id: 9883bc7676 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナ - 落ちはあるのか…?あるなら白布がいいなぁ、夢主可愛い!更新頑張ってください! (2020年6月7日 12時) (レス) id: fe45ff59f5 (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - ryonさん» 可愛いですよね分かります(真顔)。応援ありがとうございます! (2020年3月8日 13時) (レス) id: 9883bc7676 (このIDを非表示/違反報告)
ryon - え?夢主ちゃんて、可愛いすぎ、、 めっちゃ応援してます! (2020年3月6日 9時) (レス) id: 89b2666c2a (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 青い夕日さん» ありがとうございますううう!!自分で書いてて言うのもなんですけど夢主ちゃん可愛いですよね!!更新頑張ります! (2020年3月5日 22時) (レス) id: 9883bc7676 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろい | 作成日時:2019年3月8日 22時