32.がんばらない ページ40
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「は?買い出し?」
「うん、なんで?」
翌日。
欠伸を噛み殺しながら用意をしていると、白布に話しかけられた。
買い出しのことを伝えるとスっと目が細くなって低い声で問いかけられたからなんでそんな顔するの、なんて言葉を省略して言う。
「……知らない人にはついて行くなよ。
お菓子あげるとか言われてもダメだし、名前を教えるとか論外だからな」
「私もう高校生なんだケド」
「白布の娘、買い出し?がんば」
「がんばる」
川西にそう言って、財布とメモを持って白鳥沢のジャージを着て合宿所の出入口の方へ向かうと、走り込みを終えた青葉城西の人達と遭遇。
「シロちゃん、おはよ〜。どこ行くの?」
「……買い出しデス」
「…シロちゃん、見るからに力なさそうだけど持てるんだね!」
「…………ちっ」
聞こえるように舌打ちすると案の定、俺は先輩なんだけど!なんて叫んだような声が聞こえてくる。
「クソ川、他校のマネージャーに絡んでんじゃねぇ!
悪いな、コイツは後から締めとく……って、白鳥沢の、」
「…どうも」
なんとなく気まずくなって青城のエースさんから目を逸らす。
すると、どこか気だるげな黒髪の人とピンク髪の人がいわいずみ〜、と呼びながらこっちに歩いてくる。
「お、白鳥沢のマネージャー発見」
「……買い出し?」
無言で首を縦に振って、居た堪れないこの場所から逃げたくてそそくさと歩こうとすると手を掴まれる。
後ろを見てみると及川…サン。
ニコニコ。お手本みたいな良い笑顔で私の手をがっちり掴んで離しそうもない。
「シロちゃん…人見知りでしょ?」
「…………。
だったら悪いデスか」
「べっつに〜?
でもさ、折角の合宿なんだから!これを機に人見知り直した方が良くない?」
「いや別に、」
「こっちが岩ちゃんで、こっちがマッキーで、こっちがまっつんね!」
名前似すぎ案件…。
顰めっ面をしたまま、及川サンを見つめているといわちゃん、と呼ばれたエースさんがまた及川サンを蹴った。
「クソ川が悪ぃな。
俺は岩泉だ、……白鷺、だったか?」
「花巻でーす、よろしく白鷺ちゃん」
「松川なー、よろしく」
「ちょっ、なんでシロちゃんの名前知ってんの!?」
「白鳥沢のセッターから聞いた」
「同じく」
てことは、律儀に教えられてないのは及川サンだけ、ってこと。
「……お疲れ様デース」
「棒読みじゃんか、白鷺ちゃん!」
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ろい(プロフ) - ヒナさん» 果たしてオチはあるのか…??(すっとぼけ顔)コメントありがとうございます、更新頑張ります! (2020年6月24日 21時) (レス) id: 9883bc7676 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナ - 落ちはあるのか…?あるなら白布がいいなぁ、夢主可愛い!更新頑張ってください! (2020年6月7日 12時) (レス) id: fe45ff59f5 (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - ryonさん» 可愛いですよね分かります(真顔)。応援ありがとうございます! (2020年3月8日 13時) (レス) id: 9883bc7676 (このIDを非表示/違反報告)
ryon - え?夢主ちゃんて、可愛いすぎ、、 めっちゃ応援してます! (2020年3月6日 9時) (レス) id: 89b2666c2a (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 青い夕日さん» ありがとうございますううう!!自分で書いてて言うのもなんですけど夢主ちゃん可愛いですよね!!更新頑張ります! (2020年3月5日 22時) (レス) id: 9883bc7676 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろい | 作成日時:2019年3月8日 22時