１９．がんばらない ページ27
．
それは、突然の出来事だった。
「…合宿、っていつから？」
「長期休暇じゃないと無理だと思うけど。場所は東京ってことしかまだ聞かされてない」
授業終わり、放送で呼び出されたと思えば合宿の話が伝えられた。
その呼び出しの要件を白布に聞かれて素直に答えると、どこか怪訝そうな顔をした白布が目に映った。
「東京ってことは朝早いけど白鷺…大丈夫かよ」
「……前日に実家に帰ろうかなって考えてる」
「え、白鷺って実家、
不意に白布以外の声が聞こえて後ろを振り返ると川西がいた。
真顔でピースして片手にはスマホ。
「太一、今度は何忘れたんだよ」
「いや、今回は忘れてない。
それよりおふたりさん、昼に男バレのスタメンとマネージャー集合だって」
ちなみに屋上、なんて付け加えて言う川西にお昼ご飯のことを聞くと一緒にと言葉が帰ってきた。
「てゆーか、何話すんだろ。俺知らないまま白布と白鷺に伝えたんだけど」
「合宿だろ」
「…だろ」
白布の口調を真似しながらそう言うと軽く頭を叩かれた。地味に痛い。
叩かれた頭を擦りながらスマホをいじっていると急にとあるトークアプリの新着メッセージが来た。
それを読んで小さくため息を漏らした。
「…痛かったならごめん」
「確かに痛いけどそんなにだから。…ねぇ、川西」
「！！
……賢二郎がデレた」
「ね、デレた」
ニヤニヤと2人して白布の方を見ると般若のような顔立ちのご本人様が見えた。
「…ゴメンナサイ」
「いっ、！なんで俺だけ？」
「白鷺は直前に謝ったから。それに流石に白鷺にこんなことしねぇし」
「わーい、白布好き」
ぱちぱち、と両手を軽く叩いてにこにこ笑うとそれはそれでため息をつく白布。
……呆れられた。
「賢二郎、ちょっと」
「……なに」
川西が白布に対して手招きして、白布は渋々席を立ってそっちに向かう。
川西が何かを言ったと思えば本日2回目の腹パンをかました。
「何言われたの」
「……別に」
密かに耳が赤いのは怒ってるからかな、なんて。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 742人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ろい(プロフ) - ヒナさん» 果たしてオチはあるのか…？？（すっとぼけ顔）コメントありがとうございます、更新頑張ります！ (2020年6月24日 21時) (
レス) id: 9883bc7676 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナ - 落ちはあるのか…？あるなら白布がいいなぁ、夢主可愛い！更新頑張ってください！ (2020年6月7日 12時) (レス) id: fe45ff59f5 (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - ryonさん» 可愛いですよね分かります（真顔）。応援ありがとうございます！ (2020年3月8日 13時) (レス) id: 9883bc7676 (このIDを非表示/違反報告)
ryon - え？夢主ちゃんて、可愛いすぎ、、 めっちゃ応援してます！ (2020年3月6日 9時) (レス) id: 89b2666c2a (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 青い夕日さん» ありがとうございますううう！！自分で書いてて言うのもなんですけど夢主ちゃん可愛いですよね！！更新頑張ります！ (2020年3月5日 22時) (レス) id: 9883bc7676 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ろい
| 作成日時：2019年3月8日 22時
