11.がんばらない ページ16
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それから体育館について更衣室で着替えた後、スポドリを準備する。
そうしているうちに、唐突に後ろから声をかけられた。
「よ、マネージャー」
「Aさん、正式入部おめでとうございます!!」
「…受験合格したみたいなノリで言わないでくれるかなぁ」
後ろから声をかけてきたのは川西と五色だった。表情がまるで正反対の2人は見ててちょっと面白い。
「やっと男バレにもマネージャーが…」
「そうですね、川西さん!」
「太一の理想にはならないと思うけどな」
川西の言葉に同意した五色。その2人に対してどこか辛辣な言葉を投げかけたのは白布。
いつの間にか後ろにいて、私の前にある壁に手をついて、作り終わったスポドリのカゴを1つ持った。
「それぐらい持てる」
「白鷺、力ないから」
「…否定はしないけど」
その言葉にフッと笑う白布。
そうしてまた後ろから手が伸びてきた。
「これ、持っていくやつだよな?」
「そう、デスけど…」
「うわ瀬見さん」
「うわとか言うな!」
突然現れた瀬見さんに対して、白布はどこか嫌そうな声色と顔をしていた。
「…あ、そういえば。
白鷺、正式に男バレに入部したんだろ?ありがとな」
眩しい笑顔を私に向けて、頭を撫でる瀬見さん。その一部光景を見ていた白布が口を開いた。
「天童さん、瀬見さんが白鷺にセクハラ紛いなことしてましたけど」
「ちょっと英太クン!ダメだヨ!?」
「うわきた」
なんで呼んじゃうかなぁ、白布。
「ちょ、誤解だ!」
「え〜、ほんとにィ〜?」
「………」
「………」
慌てて誤解を解こうとしている瀬見さんに詰め寄る天童さん。それを黒い笑顔で見る白布にまたそれを見る私。
……なんてシュールな。
色々と誤解されたくないからとりあえず、その場から離れた。ふと周りを見ると、バレーのコートが既に出来上がっていて、もう少しでアップの時間だった。
「白鷺」
「…牛島さん」
相変わらず威圧感がすごい。なんて思いながら首を上げて牛島さんを見る。
それに気づいたのか腰を折り曲げて、私と同じ高さに顔を合わせた牛島さん。
「全国の舞台に連れて行ってやる、だからサポートは任せたぞ」
「!!
………はい」
絶対的エースの言葉でこれほど嬉しい言葉なんてきっとない。
柄にもなくカッコイイなんて思ってしまった。
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ろい(プロフ) - ヒナさん» 果たしてオチはあるのか…??(すっとぼけ顔)コメントありがとうございます、更新頑張ります! (2020年6月24日 21時) (レス) id: 9883bc7676 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナ - 落ちはあるのか…?あるなら白布がいいなぁ、夢主可愛い!更新頑張ってください! (2020年6月7日 12時) (レス) id: fe45ff59f5 (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - ryonさん» 可愛いですよね分かります(真顔)。応援ありがとうございます! (2020年3月8日 13時) (レス) id: 9883bc7676 (このIDを非表示/違反報告)
ryon - え?夢主ちゃんて、可愛いすぎ、、 めっちゃ応援してます! (2020年3月6日 9時) (レス) id: 89b2666c2a (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 青い夕日さん» ありがとうございますううう!!自分で書いてて言うのもなんですけど夢主ちゃん可愛いですよね!!更新頑張ります! (2020年3月5日 22時) (レス) id: 9883bc7676 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろい | 作成日時:2019年3月8日 22時