転校生の時間 ページ44
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「はい、おはようございます。烏間先生から転校生が来ると聞いていますね?」
教室内に響く殺せんせーの声を聞きながらも頬杖を着き、考える。
確実なのは暗殺者、ということかな。そしてきっと律よりも強いということ。
独自の調査で分かったこともあるけど、之と云って有益な情報は得られなかった。
「いずれにせよ、皆さんに
ぷにんと触手を合わせてそう云う殺せんせーを見て軽く笑う。
…今は少しだけ自嘲気味だったかもしれない。やっぱり雨の季節は嫌いだ。
「初期命令では私と彼の同時投入の予定でした。私が遠距離射撃、彼が肉体攻撃。連携して殺せんせーを追いつめると」
……肉体攻撃と云うことは殺せんせーの速さにもついて行ける程のスピードを求められる。機械的な動きではなく、人間的な動き。それなりの身体能力だって。
私の中で疑問が高まる中、律は淡々と話を進めていった。
「ですが、二つの理由でその命令はキャンセルされました。
ひとつは彼の調整に予定より時間がかかったから。もうひとつは私が彼より暗殺者として圧倒的に劣っていたから」
裏を返せば、機械である律よりも優れているということになる。
殺せんせーの指を飛ばした律で其の扱い、…転校生は中々の化け物じみた人間らしい。
その時、前の扉が開いた。現れたのは白装束を着た人。途端に手を前に出したと思えば白い鳩が現れた。
念の為に太ももの辺りにつけているホルダーから本物の銃を手に取り、様子を伺う。もちろん左手には殺せんせー用の銃もある。
「ごめんごめん、驚かせたね。転校生は私じゃないよ。私は保護者。…まぁ白いし、シロとでも呼んでくれ」
…あれ?
消えたと思い、上を見ると偶然にも液状化した殺せんせーが見えた。
「ビビってんじゃねーよ、殺せんせー!!」
「奥の手の液状化まで使ってよ!!」
「い、いや、律さんがおっかない話をするもので」
タコの癖に噂に踊らされるんだね。どこか冷めた目で見つめながらも殺せんせー用の銃を直して別の物を手に取った。
「おーい、イトナ!!入っておいで!!」
大声で呼んだと思えば少し後ろから気配。咄嗟に席から立って赤羽くんの方へと下がる。
「俺は勝った、教室のカベよりも強い事が証明された。それだけでいい、それだけでいい…」
………また面倒くさそうな転校生だね。何か一波乱ある気がする。
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ろい(プロフ) - 零さん» ひぇっ、恐れ多いです…。今週の更新はあまり出来ませんが来週は頑張ります!!これからもこの作品をよろしくお願いします! (2019年6月20日 23時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - めちゃめちゃ面白いやんけ……暗教も文ストも好きだからめっちゃ好き……))更新無理しない程度に頑張って下さい!楽しみしにしてます!!! (2019年6月20日 22時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 柊まふさん» 最高と言っていただけるなんてすっごく嬉しいです!今、書き直しをしているのでまた1から読んでみてみるのも面白いかもしれません、是非どうぞ! (2019年5月23日 6時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
柊まふ(プロフ) - 最高です!更新 楽しみです! (2019年5月22日 16時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 無気力さん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2019年5月21日 21時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろい | 作成日時:2019年4月14日 20時