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昼時。
偶然にも電話がかかってきた為、私は一度外に出た。
「もしもし」
「之はまた久しぶりだねぇ、A」
「…私の記憶じゃ、久しぶりじゃないけどね」
といっても梅雨の時期だったっけ。
……どう表すべきなのかな。
「何かあるのかい?」
「??
何のこと?」
「いつもと呼吸が違うからねぇ、少し気になっただけだよ」
図星をつかれ、一瞬だけ口を噤んだ。
やっぱり分かるものなのかな、自覚症状がなかった。
「………そうだね、強いて言うなら有るかもしれない」
「なら、この電話は不要かな。違う日にかけよう」
私の返答は無視して身勝手に電話を切った太宰。でも其れでこそ太宰らしいと云えるのかもしれない。
「…へぇ、」
教室に戻ろうとすると面白いものが見えた。教室には入らずに外側の壁にもたれ掛かり、観戦することにしようかなぁ。
イリーナ先生の暗殺は正面からの暗殺。でも、烏間先生相手に正面からの暗殺は無謀である。
却説、どうやって殺すのか楽しみだね。
イリーナ先生は羽織っていた物を脱いで色仕掛けをするような姿に。いつもと変わらない風景の筈、でも少し違うんだよねぇ。
「ワイヤートラップ、かぁ」
懐かしい、といえば懐かしいのかな。イリーナ先生の師匠であるロヴロさんに会った時もワイヤートラップだったからねぇ。
そうしてイリーナ先生は服と木を使い、色仕掛けでそれを誤魔化した。複合技術なんてあんまり見たことがないから新鮮に感じた。
「…カラスマ。
殺りたいの、ダメ?」
力勝負となっては打つ手なし。そこは頭を使ったのかイリーナ先生の特色、武器ともいえる色仕掛けで烏間先生にナイフをあてた。
つまりはイリーナ先生の残留が決定した訳だ。
「烏間先生」
「…Aさんか」
「まさか折れるなんて思いませんでした」
笑って烏間先生に近づいてワイヤートラップを見る。
「所詮は口約束だ、あいつが守るかも分からん」
「…其れはどうですかねぇ」
校庭に置かれた其れを見て云う。
1秒間も止まってくれるのだ、若し私が殺られる側ならば用意周到にするけど。
「…なんだあの甲冑は」
「備えあれば憂いなし、つまりはそういうことです」
甲冑に近付いて胴体部分を押すと見事に倒れた。
「ニュヤーッ!Aさん、何をしているんですか!?」
「此処に甲冑が有っても邪魔なだけでしょ?」
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ろい(プロフ) - 零さん» ひぇっ、恐れ多いです…。今週の更新はあまり出来ませんが来週は頑張ります!!これからもこの作品をよろしくお願いします! (2019年6月20日 23時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - めちゃめちゃ面白いやんけ……暗教も文ストも好きだからめっちゃ好き……))更新無理しない程度に頑張って下さい!楽しみしにしてます!!! (2019年6月20日 22時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 柊まふさん» 最高と言っていただけるなんてすっごく嬉しいです!今、書き直しをしているのでまた1から読んでみてみるのも面白いかもしれません、是非どうぞ! (2019年5月23日 6時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
柊まふ(プロフ) - 最高です!更新 楽しみです! (2019年5月22日 16時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 無気力さん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2019年5月21日 21時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろい | 作成日時:2019年4月14日 20時