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外から拝見すると丁度、ロヴロさんが烏間先生の暗殺準備に取り掛かっている所だった。
そして正面から向かって行ったロヴロさん。物凄い速さで対先生用のナイフを烏間先生に触れさせようとした。
が、反射神経なのか分かっていたのか烏間先生は軽々と手首を掴み、其れに加えて蹴りを入れようとしたのであった。
……屈辱的だろうね、殺せると高を括っていたのに殺せないなんて。
「相手の戦力を見誤った上にこの体たらく。歳はとりたくないもんだ」
其の声が聞こえ、ロヴロさんを見るとその手は酷く腫れていた。
「ふふっ、今日中には殺れないですね」
手持ちの包帯をロヴロさんに見せた後、無言で巻いていく。
「…君は一体、」
「私はしがない…否、一般人ですよ?」
貼り付けた笑みを見せて恰も笑っているように装う。
包帯を巻き終えた所で其れを消す。
「なァんて冗談です。ワイヤートラップの件を既に見られているので隠す必要も無いですし、正直にお話をしますよ〜」
ロヴロさんから見た私はどう写っているのだろうか。人懐っこい笑顔を浮かべているのか、嘘のような仮面をつけているように見えるのか。
其れはご生憎と分からないけど、しょうがない。
「元々はあなたと同じような職に就いていた唯の子どもです」
「同じような職……つまりは"殺し屋"か」
「其れとはちょっと違うんですけどね」
確かに殺したよ、沢山の人を。沢山の人を手にかけて無心だった。
血に濡れた手じゃ誰とも手を繋げない、繋いじゃいけない。
其れを自分で分かっているから私は線を引くんだよ。
「そー言えば前の職業も教えてくれなかったわね、何か関係あるの?」
「あれれ、其れを云うの?
折角、質問形式で問題を出題しようと思ってたのにぃ」
「……アンタやっぱり子どもね」
「ふふっ」
こうやって笑えばもっと子どもに見えるのかな?
まぁ実年齢を表すなら微妙だから何も云えなくなるけどねぇ。
彼処で実戦にだって赴いたし、事務仕事もした。其れに何も変わりはないけどね。
「…君がまさか、」
「其れ以上は禁止でーす、解答は私に直接どうぞ。…まぁ、今は聞きませんけど」
どの解答だってきっと私は答えられない、教えられない。まるで実体のある幽霊みたい。…中々に分かりにくい喩えだなぁ。
表情筋、頬が痛い中、また笑って教員室から出た。
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ろい(プロフ) - 零さん» ひぇっ、恐れ多いです…。今週の更新はあまり出来ませんが来週は頑張ります!!これからもこの作品をよろしくお願いします! (2019年6月20日 23時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - めちゃめちゃ面白いやんけ……暗教も文ストも好きだからめっちゃ好き……))更新無理しない程度に頑張って下さい!楽しみしにしてます!!! (2019年6月20日 22時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 柊まふさん» 最高と言っていただけるなんてすっごく嬉しいです!今、書き直しをしているのでまた1から読んでみてみるのも面白いかもしれません、是非どうぞ! (2019年5月23日 6時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
柊まふ(プロフ) - 最高です!更新 楽しみです! (2019年5月22日 16時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 無気力さん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2019年5月21日 21時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろい | 作成日時:2019年4月14日 20時