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太宰は何故かニヤニヤとした顔で帰って行った。少し頭にきたから蹴った。
「……あれは、」
潮田くんに岡野さん、茅野さんと杉野くん。かな?そしてその前には前原くんに見知らぬ女の子。
「あっ、Aちゃん!」
「茅野さん、」
まさか見つかってしまうとは。まぁ、ちゃんと隠れていなかった私も悪いんだけど。
「ねぇ、あれ」
「あ、前原じゃんか」
どうやら気づいてなかったらしい。
自分でも分かるほどに興味なさげな目で二人を見つめた。
「一緒にいる人は…?」
「確かC組の土屋果穂」
C組、か…。対して頭は良くないみたいだねぇ。
「ほうほう、前原君は駅前で相合い傘…と」
「プライバシーも何も無いんだねぇ?」
近くの木に隠れていたのは殺せんせー。しかもご丁寧にカッパまで着ていた。
「ヌルフフフ、これも先生の務めです。
3学期までに生徒全員の恋話をノンフィクション小説で出す予定です。第一章は杉野君の神崎さんへの届かぬ思い」
「出版前に何としても殺さねば」
無駄に下世話とは此のことかもしれない。まぁ私には関係ないけども。
「じゃあ前原君の章は長くなるね」
「??
如何して?」
「モテるから、かな。結構しょっちゅう一緒にいる
潮田くんの言葉を聞き、目の前で相合傘なるものをしている前原くんを見つめる。
「ふふっ、でものんびりはしていられないんじゃあないかな」
「え?」
「ほら、あーれ」
前原くん達の近くにいる子、有れって確か生徒会だろう?それにA組だからねぇ、間違いなく莫迦にするだろうに。
私達はただ無言で見つめていると段々と言い合いが激しくなっているのを感じた。
「あのね、自分が悪いってわかってるの?努力不足で遠いE組に飛ばされた前原くん。
それにE組の生徒は椚ヶ丘高校進めないし、遅かれ早かれ私達、接点無くなるじゃん」
そんな言葉が聞こえ、痛感した。
…忘れていたよ、こんなにも此処の生徒は醜いんだった。
何度見ても吐き気がする。こういう時、此の世に存在していなかったらどれ程楽だっただろうか。
「けど、E組の頭じゃわかんないか」
「…おまえなぁ、自分の事棚に上げて、」
前原くんがそう云った瞬間、雨で濡れている地面に蹴られた。
盗み見をするかのように殺せんせーを見ると唯、その光景を何も写っていない瞳で見つめていた。
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ろい(プロフ) - 零さん» ひぇっ、恐れ多いです…。今週の更新はあまり出来ませんが来週は頑張ります!!これからもこの作品をよろしくお願いします! (2019年6月20日 23時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - めちゃめちゃ面白いやんけ……暗教も文ストも好きだからめっちゃ好き……))更新無理しない程度に頑張って下さい!楽しみしにしてます!!! (2019年6月20日 22時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 柊まふさん» 最高と言っていただけるなんてすっごく嬉しいです!今、書き直しをしているのでまた1から読んでみてみるのも面白いかもしれません、是非どうぞ! (2019年5月23日 6時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
柊まふ(プロフ) - 最高です!更新 楽しみです! (2019年5月22日 16時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 無気力さん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2019年5月21日 21時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろい | 作成日時:2019年4月14日 20時