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其れから一日中、機械仕掛けの彼女はずっと攻撃を仕掛けた。
当たり続ける弾を避けるのもそろそろ苦らしい。
私は報告書の始末に追われて、少し遅れて学校に行った。朝、教室に行くと彼女はガムテープで縛られていた。
「……へぇ」
理由を聞くとどうやら寺坂くんの仕業らしい。
やり方はあまり好まないけど寺坂くんの意見も一理ある。
そうして結局、授業が終わるまで彼女の拘束が解かれることは無かった。
「却説、帰ろうかなぁ」
準備をして鞄を持ち、帰ろうとしたところ後ろから名前を呼ばれた。
「すいません、Aさん。少しだけ居残りしてくれませんか?」
「何か用があるの?」
首を傾けて殺せんせーを見た。
「着いてきてください」
「…はぁい」
何かを悟り、私は取り敢えず着いて行くことにした。着いた場所は教室。
……教室にはもう彼女しか居ない筈だけど。
そうして殺せんせーは彼女の方へ歩み寄り、黒い箱の天井部分、頭を撫でるかのようにポンっと優しく乗せた。
「ダメですよ、
「………」
「あなたの保護者が考える戦術はこの教室の現状に合っているとはいい難い。それにあなたは生徒であり転校生です。皆と協調する方法はまず自分で考えなくては」
「…協調?」
殺せんせーは何をするつもりだろうか。…まぁ、私の監視下の中でならまだ佳いんだけど。
そんなことを思いながら口を開いた。
「今日、如何して皆に暗殺を邪魔されたと思う?
皆からすれば、あなたの射撃で授業が妨害され、自分たちと"無関係"のあなたが撒き散らした弾の始末に労力を使う。
そしてあなたが殺せんせーを殺したとしても賞金はあなたの保護者に行く。
あなたの暗殺は皆に何のメリットも齎さない」
唯々、邪険に扱われるだけ。其れが今の現状とも云える。
「……そう言われて理解しました。クラスメイトの利害までは考慮していませんでした」
「ヌルフフフ、やっぱり君は頭が良い」
この云い方、まるで何かを企んでいる様な。
「殺せんせー、何をするつもり?」
「Aさんにはバレてしまいましたか。
これをあなたに作ってみました」
そう云って殺せんせーが取り出したのは…大きなメモリの様なもの。
「アプリケーションと追加メモリです。ウイルスなど入っていないので
そうして殺せんせーはそのメモリを彼女に繋げた。
…ところで、私は何時になったら帰ることが出来るの。
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ろい(プロフ) - 零さん» ひぇっ、恐れ多いです…。今週の更新はあまり出来ませんが来週は頑張ります!!これからもこの作品をよろしくお願いします! (2019年6月20日 23時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - めちゃめちゃ面白いやんけ……暗教も文ストも好きだからめっちゃ好き……))更新無理しない程度に頑張って下さい!楽しみしにしてます!!! (2019年6月20日 22時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 柊まふさん» 最高と言っていただけるなんてすっごく嬉しいです!今、書き直しをしているのでまた1から読んでみてみるのも面白いかもしれません、是非どうぞ! (2019年5月23日 6時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
柊まふ(プロフ) - 最高です!更新 楽しみです! (2019年5月22日 16時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 無気力さん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2019年5月21日 21時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろい | 作成日時:2019年4月14日 20時