L社職員さんが魔法界に来たようです【MASHLE】 (ページ41)

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そんなことより、あの小鳥を追い掛けなければ
そう思い、鳥籠とAちゃんの荷物を持ち、会計を済ませた
さて、追いかけるか

鳥籠に残っている魔力を調べて見た
やはり、あの貴族が小鳥に追跡魔法をかけていた
魔法をかけているのなら魔力を辿れば小鳥の元に辿り着けるはずだ
＿＿＿＿＿＿
追いかけてみたところ、本当に小鳥はいた
誰もいない袋小路の裏路地に
小鳥は、扉にガンガンとくちばしをつついている

｢…何かあったのかい？｣

動物に話しかけても無駄だと思うが、何か分かることも多少あるだろう

【チュン！チュチュチュン！！】

小鳥は、こちらを向いてまた扉をつつきはじめた
ここにいるということだろうか？

｢…開けるよ｣

そういい、武器を構え、勢いよく扉を開けた
＿＿＿＿＿＿
照明は1つだけしかついておらず、真ん中には椅子があり
その椅子の周りには、気絶したゴロツキがゴロゴロと転がっている
そして、その中にはさっき見た貴族もいる

『…来ちゃいましたか』

Aちゃんもいた
目に光は宿っていなかった

｢……これ全部君が？｣
『はい』
｢武器なしで？｣
『ありますよ。隠していただけです』
｢…どこに｣
『スカートの｢オーケー。聞いた僕が悪かった。悪かったからその手を止めなさい｣

危うく犯罪者になるところだった

｢そういや、なんでこうなったんだい？｣
『お手洗いに行こうとしたらここに連れてかれましたので、抵抗しました』
｢…なるほど｣

多分、一旦小鳥を私達に預けて鳥籠で追跡をし、Aちゃんと小鳥が油断した所で誘拐し、人身売買にかけようとしたのか

｢…ッ！クソがッ！！｣

後ろから男の声が聞こえAちゃんの方に攻撃が放たれる

｢Aちゃん！｣

庇おうとしたが、それも遅かった
先に小鳥に庇われてしまったのだから

【ヂ…】

小鳥の羽鮮やかな赤色が白い羽根を彩っていった
その赤色は羽、胴体、頭、そしてくちばしを彩っていった
Aちゃんは、その小鳥を氷のように冷たい目で小鳥を見ていた

｢助けないの『静かに』
『後に、動き始めます』

そう言い、しばらく待ってみると
小鳥は、赤い体となり、また元気にパタパタを飛び始め、攻撃した敵の方に飛び始めた

｢な、なんだ。何なんだよ！俺は、俺はなんも｣

男は、何かそう言おうとしたが小鳥がそれをも全て飲み込んでしまった

『罰鳥。それは、ただの鳥であり私達の懲戒人でもあります』