L社職員さんが魔法界に来たようです【MASHLE】 (ページ38)

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カルド side

次に来たのは本屋だ
書庫には保存されていない本なんてないはずなんだがな

『カルドさんはここで待っていて下さい』
「うん。分かった」
『ありがとうございます』

Aちゃんはお辞儀をし、本屋の中に入っていった
近くにあったベンチに一休みとして座る

いい子かぁ〜〜〜？
ちゃんとお礼が言えてお辞儀出来たらもう世界一いい子だろ

ていうか、何故、私を省いたんだ？
何か不満でもあったか？それとも、見られたくないものとかあったか？
うん、その可能性が高い
では見られたくないものとはなんだ？
拷問本？変わった芸術？は！まさか恋愛本！？
いやいや、そんなことになれば今後どんな風に接して行けばいいんだ！！

『……カルドさん？』
「…はっ！？」

いつの間にかAちゃんが目の前にいた
近いよ〜〜顔が良いよ〜〜

『具合が悪いのですか？ここでしばらく休んでもいいですけど…』
「あ、いや。大丈夫だよ。考え事をしていただけさ」
『そうですか。ならいいですけど』

Aちゃんは、ホッと胸を撫で下ろした
そうだ、本のことを

「そういや、Aちゃんは何の本を買ったんだい？」
『…教えられる程のものではありません』
『そろそろ展示会の開始時間ですね。行きましょう』

Aちゃんはそういい、そっぽを向いて歩いていった
そんなに教えられない本とはなんなんだ？
＿＿＿＿＿＿
展示場には、やはり人があまりいなかった

『…人が、少ないですね』
｢魔法という攻撃手段がある中で、物理攻撃という疲れやすく習得が遅い。この事から、この世界では武器の文化は浸透していないんだよ｣
『成程…』

Aちゃんは、刀コーナーの方をまわっていた
刀、東洋側の街の昔からあるとても歴史のある武器だ

｢刀、好きなのかい？｣
『使ったことがあるので』
｢どんなところで？｣
『L社に入る前、ですかね』

入る前か
こんな若い子が平気で手足が切断されるところで働いているだけで｢可哀想に｣と思えるのにさらに前にも働いていたのか？

｢L社に入る前は、何を？｣
『…何でも屋。フィクサーを』
｢フィクサー？｣
『ただの何でも屋です。猫探しから人殺しまで、なんでもやる』

……衝撃だな