L社職員さんが魔法界に来たようです【MASHLE】 (ページ24)

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Aside

赤ずきんさんの説明も終わり、今は昼食を取るために食堂に来た
食堂と言ってもまだスタッフは雇っていない
だから自分で作ったのだ

「これ、君の世界の料理？作り方教えてくれる？」
『私の世界の料理ですが、作り方を教えるのは休日でもいいですか？仕事が沢山あって』
「あ、いいよ」

ツララさんは、モグモグと美味しそうに食べている

「…食べないの？」
『簡易的な食事は取ったので大丈夫です』
「そんな生活をしてるから、仮眠室に運ばれたんじゃない？」

それはそうだな
ツララさんはもう食べ終わったらしい
早いな

「ねぇ。なんで人を雇わないの？幻想体三体程度の管理人件費はそんなかからないよ？」
『…人件費を節約したいなどの理由ではありません。幻想体の危険性が理由です』
「危険性？ちゃんとした管理をすれば大丈夫なんじゃないの？」

ツララさんは、不思議そうにこちら見ている

『幻想体には、それぞれランクがつけられています』
『大して危険性のないZAYIN。職員が怪我しやすくなるTETH。人を簡単に殺すHE。下手をすれば施設が壊滅するWAW。脱走した時点で後戻り出来ないALEPH』
『これらのランクに分かれています』
『ツララさん。もし、普通の人間が人を簡単に殺せる化け物にあった時、どうなると思います？』
「え、発狂したり、抵抗する？…あ」

ツララさんが何か分かったような表情をした

『現在収容しているのは、HEクラス2体WAW1体です』
「…確かに、現在の状態で職員は雇っちゃダメかも。うん」

一般人がHEはともかく、WAWクラスの幻想体を見れば発狂し、幻想体が脱走するかもしれない
HEクラスは、作業をミスって死んでしまうかもしれない

『理由は、もう1つあります』
「それは？」
『それは、"ダメージに耐えきれないかもしれない"ことです』
「え、ダメージは防御魔法で防げばいいんじゃないの？」

防御魔法とは、シールドのようなものか

『幻想体の攻撃には属性があります』
『物理攻撃のRED、精神攻撃のWHITE、その攻撃を同時にするBLACK、魂を削るPALE』
『これは、私がつけている装備にも言えます』
「装備って、それ？」
『はい』

ツララさんは興味深そうに話を聞いている

『この防具は、全てのダメージを無効化できて、武器はPALE属性のものを使っています』
『PALE属性に耐性を持っている幻想体って意外と少ないですよ』
「…すごい、ね」
＿＿＿＿＿＿
ツララさんとしばらくお話し、作業も順調に終え、何も起きずに終わってくれた